慢性期の夢と目標 その1 [お気をつけあそばせ]
ブラジルワールドカップの前だったと思います。
日本代表の主力だった本田選手や長友選手が
「目標はワールドカップの優勝です」
と公言しファンを驚かせたました。
これに対し元日本代表監督のオシム氏が
「夢を持つことは大事であるが、それを現実目標とすると、普段の練習ではそのギャップの大きさで、逆にモチベーションを上げられない」
という主旨の発言をされました。
徹底的なリアリストのオシムさんらしい発言だと当時私は感心した覚えがあります。
確かに夢を描くことは大切であるけれど、あまりにも飛躍した夢を思い描いていると、
そこにさっぱり近づけない現状にモチベーションを上げられない。
かえって辛くなってしまうということだと思います。
脳卒中の患者の中にはで、飛躍的に回復される方がおられる。
患者仲間で、必ず話題になります。
私が知っている人も、脳梗塞病後3年でバイクに再び乗られました。
だからと言って、左上肢、左下肢ともに全廃の私にとってはそれは夢の世界です。
私がバイクに乗ることは夢であって、それを目標にしてはダメなのです。(悲しい話ですが・・・)
富士山が目標の人と、500m程度の近隣の小山を目標とする人、人はそれぞれなのです。
それは、損傷の部位と程度によって決まる。
具体的には回復期の終わりの状態(ステージ)である程度は決まってくると、私は考えています。
脳の損傷の程度が軽く回復スピードが速い人がよく
「誰も富士山に登れる(元の身体に戻れる)」
ような発言をされるが、それは違うと思います。
富士山が現実的な目標の人もいれば、それが夢の人もいるのです(泣き)。
夢を夢と認識して頭の隅で持っていることは一向にかまいませんが、
それを現実的な目標だと勘違いすると、日々のリハビリがつらいだけです。
つづく
タグ:目標指向的リハビリ
2017-02-20 01:00
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