強くなくてもいい「弱くない生き方」をすればいい [お勧め本]
バリアアリーの施設ととして有名になった山口県のデイサービス施設「夢みずうみ村」代表の藤原茂さん。NHKテレビの「プロフェッショナル」にも登場されたということで、ご存知の皆さんも多いのではないかと思います。今回はその藤原さんの著書です。早速私の印象に残ったところをご紹介いたします。
◇弱さの特権
健康であれ、大切な人であれ、失ってみて初めて気がつくことがあります。
失うことは一見マイナスですが、新たな視点や発見を手にするという意味ではプラスの部分もあります。
今のような世の中ならなおさら失ったマイナスを減らそうとするのではなくプラスを増やそうとする姿勢が求められると言えます。
私はそれを「弱さの特権」と呼んでいます「弱さの強さ」とも言えるかもしれません。
◇「先生、私脳卒中になって本当によかたっわ 」
Aさんは、主婦の傍ら小料理店を25年経営、さらにがんの義母を看病しながら自宅で看取った人で、51歳で脳卒中に倒れ左麻痺障害者になられました。
そのA さんから不意に言われた私は「えっ?」と咄嗟に返す言葉が見つかりませんでした。彼女は一度きりの人生で病気を境に2人分の人生を経験できた喜びを口にされたのです
特に病後は、片麻痺の料理教室の先生、自身の闘病やリハビリ体験を人前で話す講演者、私と書いた本の共著者とそれまでとはまるで異なる人生を歩むことになりました。約19年間の第二の人生ということになります。それ以上に毎日のごくささやかな出来事の中に、生きている実感や生きる楽しみや喜びを発見して味わう感受性を彼女は見事に手に入れられました。
◇ みずうみの村には、病気などで心や体に「障害」という「不自由」を抱えたけれどその価値観を転換して、生活の回復と人生の回復を実現した利用者さんがたくさんおられる 。
私達に求められるのは機能回復に限定されるものではありません。たとえ、自分が期待した通り機能が回復しなくても(ほとんどの方がそうだと思うのですが)コーピング・スキルズを高め、まず「生活の回復」をはかり、さらにそこを踏み台として生きがいがある「人生の回復」をめざす。「可能性に開かれた存在」として自分を認識しましょう!
タグ:生活リハビリ
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