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「老人介護、じいさん・ばあさんの愛し方」三好春樹著 [お勧め本]

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三好先生は別の場所で、この本への思い入れの強さを語られています。この本に登場するじいさん・ばあさんは、実際に三好先生が出会ってこられた超個性的な(それゆえ典型的な)老人だからです。その経験をもとに、「介護現場の不可思議な法則」を書かれています。私が印象深かった部分を私流解釈も加えでご紹介します。 

老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた (新潮文庫)

老人介護 じいさん・ばあさんの愛しかた (新潮文庫)

  • 作者: 三好 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/11/28
  • メディア: 文庫

◇年を取ると個性が煮詰まる。

年を取ると、人間が丸くなるどころか、人格が完成するどころか、個性が煮詰まるのだ。真面目な人はますます真面目に、頑固はますます 頑固に、そしてスケベはますますスケベに。私は自分の中に抱いていた勝手な老人像を壊されたが、なんだかホッとしていた。人間最後にこんな個性的になるなら若いうちから個性的に生きていけばいいんじゃないかと思ったのだ。

ただし、スケベがみんな嫌われるわけではありません。それどころか、適当なスケベは介護の女性にもひどく人気があるらしいです。ただし最悪は「むっつりスケベ」、これは忌み嫌われる。スケベで好かれるためには、遊びの年期も必要だということでしょう。
 
(メガネサル)スケベで好かれる達人級は今更無理としても、せめて女性が喜ぶソフトなスケベな話をたくさん仕入れ、猥談力は鍛えておきましょう。「何?それもできそうにない」そんな方は、「ほめ」をマスターしましょう。これタイミングが大事、髪型が変わった。服が変わった。変化を捉え女性を「ほめ」るのです。せめてこの技だけは日ごろから鍛えておきましょう。
 
◇あなたは自分の老いと付き合えるだろうか。老人が嫌いだという人は難しいかろう。
だってそれは未来の自分が嫌いだということだから。今老人とうまく付き合っている人は未来の自分ともうまく付き合えるだろう。老人と楽しく付き合える人は自分の老いとも楽しく付き合えるに違いない。 

◇老いとは、人間が近代という狭い枠から外れていくことである。いやそもそも若い世代も子供も進歩主義や発達至上主義、分析的な近代科学の枠の中には入りきらないものなのだ。 


◇「若さを失う」という価値観を含んだ(つまり若い世代中心主義)表現の代わりに。 「若さからから解放される」「若さから立ち直る」「老いを獲得する」と言った表現を提案しているのは哲学者の土屋賢二氏である。
 
「まず美的観点から見て老人の方が優れている。年を取ると動きに無駄がなくなり、映画館や新幹線の中を意味もなく走り回るような事はしなくなる。動きは必要最小限に抑えられ、場合によって必要最小限の動きもしなくなるほどである。
 
抑制の効いた、極端にまで無駄を排した動きは 能の美しさを思わせるものがある。無駄が切り詰められるのは動作だけではない。精神面でも無駄がなくなり余計な事にダラダラといつまでも覚えているということがなくなる。
 
さっきまで自分の話していたこととか、人の名前とか、自分の名前とか覚えるに値しないことを忘れるようになるのである。意識を適当に不明瞭にしたい時も酒の力を借りることはない。そのままでかなり朦朧としてくるのだ。(「われ笑うゆえに我あり」より)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

われ笑う、ゆえにわれあり (文春文庫)

  • 作者: 土屋 賢二
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: 文庫

(メガネサル)ホンマに発想の転換、土屋先生見事です、多少悪乗りが過ぎますが(笑)。
片麻痺障害者になった時、精神的に苦しかったのは、長年この強者の論理である「進歩主義」や「発達至上主義」にとらわれ生きてきたからだと、今になるとわかります。この呪縛から一足先に、おさらばすることで、「弱さの強さ」は見えてくる気がします。


タグ:老い
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