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その5 「守るも攻めるもこの一線」と「超えねばならぬこの一線」 [障害者として生きる]

前回のマトリックスの話で、ほぼすべてのグループは、直接「天国に行くコース」か、あるいは「高齢で、障害が重い」グループに移っていくというお話をさせていただきました。

そして、高齢で、体が不自由な人の中でも、寝たっきりになる人とそうでない人の2つのグループに分かれるという太田仁史先生(医師)のお話を紹介しました。今回太田先生の著書「老い方革命」より、さらに詳しく説明したいと思います。「超えねばならぬこの一線」と 「ぜひ超えたいこの一線」です。

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■ところで人がとりうる姿勢をご存知でしょうか
 
突き詰めればそれは立っている、立て膝をつく、座る、寝ているの4つだけなのです。意外と思うかもしれませんがこの他の姿勢はこれらを応用したものに過ぎません。



 
■少し専門的な表現をすればたっているは「起立」

 

立て膝をつくのはそのまま「立て膝」、座るは「座位」、寝ているは「臥床(がしょう)」と言います。(図1)



■「臥床(がしょう)」と「座位」の最も大きな違い

 
は骨盤が寝ているか、立っているかにあります。寝ると骨盤も寝ることになり、座れば骨盤も立ちます。では、立て膝と起立はどうでしょうか、これらは立った骨盤が上に上がっているだけで、本質的なな違いうよりも量的な違いにすぎません。


■排泄行為を考えると
 
これらの違いがわかりやすい。寝ている状態ではオムツか便器で世話を受けるしかありませんが、座位になると、トイレに行けるし、悪くてもポータブルトイレを使うことができます。


■骨盤を立てるメリットは
 
他にもたくさんあります。上半身を支える筋肉の動き働き、首が 据わってきます。さらに意識に関係する中枢を刺激するので、意識がはっきりしてくる。


■そうなると
 
視線が合ってコミュニケーションをとりやすくなって、食べ物を飲み込みやすくなる。手も寝てる時に比べ物にならないくらいに、利くようになるでしょう。手を使ってご飯を食べることも、ものを書くことも、編み物をすることも、パソコンをすることもできるようになります。世界が飛躍的に広がります。


■だから寝たきりにならないことを考えた場合

 
「起立」「立て膝」「座位」「臥床」のなかで最も大切なのは「座位」を取れることなのです。ここがが守りたい最低ラインだから私は「座位」と「臥床」との間の境界線のことを「守るも攻めるもこの一線」と呼んでいます。
 
 
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■さらに「越えねばならぬこの一線」

 
というのも考えました。これは閉じこもりになるか否かの大きな境目になります。先に書いたように移乗力まであると外出が可能になります。
(図2)



 
■外に出れば

 
仲間との交流することもできるし、ひいては社会参加も可能になります。自分の足で歩くことができなくても、手を使って働くことも海外旅行にも出かけることもできます。


■だから「超えねばならぬこの一線」は 「ぜひ超えたいこの一線」

 
でもあります。「攻めるも守るもこの一線」「越えねばならぬこの一線」は介護予防の二つの線として本人はもちろん介護者もぜひ覚えておいてください 。
 
「老い方」革命―新しい介護のはじまり

「老い方」革命―新しい介護のはじまり

  • 作者: 大田 仁史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 単行本

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いかがでしょうか、我々片麻痺障害者にもこれはすべて当てはまります。ですから高齢で障害が重い場合、死守すべきリハビリ目標は「「座力」「移乗力」の保持になってきます。

我々片麻痺障害者も年令を重ねた場合、ここがリハビリ目標の最低ラインになってくると今から認識し、さらに我々には、介護を容易にするためにも「拘縮を避ける」ことも重要課題ですので、「拘縮ケア」に日々励みましょう、というのが今回の結論です。
 
じゃ~また 

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