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国連「障害者権利条約」は優性思想に対抗する指標である [お勧め本]

国連「障害者権利条約」は優性思想に対抗する指標である

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【画像は誰もが暮らしやすいまちづくりをすすめる仙台連絡協議会」さんよりお借りしました】


「私で最後にして  ナチスの障害者虐殺と優生思想 」藤井克徳著の2回目です。今回は「障害者権利条約」についてのお話です。

わたしで最後にして: ナチスの障害者虐殺と優生思想

 

  • 作者: 藤井 克徳
  • 出版社/メーカー: 合同出版
  • 発売日: 2018/09/05
  • メディア: 単行本
わたしで最後にして: ナチスの障害者虐殺と優生思想




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2006年に国連加盟国の創意で作り上げた「障害者権利条約」は手ごわい優生思想に打ち勝つための有力な手がかりになるように思います。

◆この条約には、条約の価値を高める一つ大きな特徴があります。
それは障害当事者の声が審議に反映されたことです。 障害当事者が 参加することにより
当事者ならではの気づきや発想が提案され、それが条約案作りに取り込まれ、条約の水準をアップしたのです。 当事者参加を最も象徴するフレーズが、「私たち抜きに私たちのことを決めないで」でした。

次いで基本原理と言うべき大切な考え方について 二つ述べます。

◆同年齢の市民との平等性


一つ目は「他の者との平等を基礎として」というフレーズです。 障害者権利条約が、求めているものは障害者に対して特別の権利や新しい権利が必要であるというのではありません。


ひたすら求めているのは障害のない市民との平等性です。 同年齢の市民との平等性といってもいいと思います。 この平等性をあらゆる分野で実現すべきとしています。

◆新たな障害のとらえ方

ふたつめが障害の捉え方を明確にしたことです。これによれば、 障害について二つの側面で捉えるべきだとしています。


一点目は機能障害という側面です機能障害とは身体面や精神面の障害を指し、個人に属する障害と言っていいと思います。


2点目は社会的な障害という側面です。これは機能障害を持つ人を取り巻く障壁(環境)が障害を生じさせているのだという考え方です。 障壁とは例えば段差などの物理的な壁、人の心や態度( 差別や偏見) などが含まれます。


従来の障害の捉え方は機能障害のみに着目してきました機能障害重視の考え方を「障害の医学モデル」と言い、これに対して様々な障壁との相互作用で障害が重くもなれば軽くもなるという考え方を「障害の社会モデル」と呼んでいます。


障害者権利条約が指し示している方向は機能障害の改善 (医学モデル)を引き続き重視しますが、これからは社会障壁を取り除くこと(社会モデル)にもっと重心を置くべきとしています。 優生思想や優生政策は最大級の社会的障壁と言えるでしょう。

◆日本がこの国連の障害者権利条約を閣議承認し、批准書を国連に届けでたの は2014年です このことにより 日本の効力は憲法の規定によって一般法律より上位に位置づけられ法的に強い力を持つことになりました。


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