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父からの遺言(1)お天道さまばかりを追いかけるなよ [お勧め本]

 


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流転の海 第9部 野の春


流転の海 第9部 野の春

  • 作者: 宮本 輝
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/10/31
  • メディア: 単行本


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わしは若い頃からお天道様さまばかり追いかけて失敗した。お天道様は動いちょるんじ。


 


ここに今、日が当っとる当っちょるけん、ここに座わろうとおもうたら、座った途端にもうそこは影になっちょる。


 


慌ててお天道さまの光を追って、いまおったところから動いて、日の光ののところへやっとたどり着いたら、またすぐそこは影になった。


 


そんなことばかり繰り返してきたんじゃ。じっと待っちょったら、お天道さまは戻ってくる。


 


お前は、ここを居場所と決めたら、雨が降ろうが氷が降ろうが動くな。春夏秋冬はあってもお天道さまは必ずまたお前を照らす 。


 


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これは人並外れた眼力や能力がある熊吾の自分への反省です。


昔から成功収める上で重要とされる三つ資質    (うん どん こん)」と言います。


良いこと小器用でないこと根気があることです。人並外れた能力があった由、鈍(どん)が足りなかったという熊吾の自省の念でしょう。

 


それを最愛の息子(宮本輝氏)への最後のメッセージとして伝えたのです。

 

◆これは、全くゼロから事業を起こした者の悲哀であります。


 


戦後はこのような人が、数多くいました。私の両親もそうでした、ゼロから事業を起こし借金して設備投資を続け、様々な事業に手を出しました、ようやく借金を返し終えて、お金が手元に残り始めた頃、私は既に高校生になっていました。


 


数多くの失敗も重ねましたが、父は「やってみなきゃわからん。迷ったらやってみるんじゃ」と常に言っていました。父はそれでいいのですが、借金による新商売で家族は常に経済的に不安定で、たまったもんじゃありません。


 

◆これが昭和の時代だったと思います。学歴のない多くの人が起業し、一握りの人が大企業を作り上げ、大部分は中小企業のままでしたが、非常に生命力に溢れ魅力的な多くの経営者がいました。


 


◆熊吾の息子に向けたこのメッセージもそうですが、私もこの年代の経営者の人たちから、多くの生きる知恵を学びました。


 


一代で上場企業を作り上げた人、小さな規模ですが人間国宝にまで上り詰めた人など様々です。一対一で直接教えていただいた。


 


 


◆もちろんきれいごとだけの世界とはかけ離れています。


 


学歴なども実際は高等小学校くらいの人が多かった(事業規模が大きくなると表向きはそこそこ整えていましたが・・)


 


「流転の海」に登場するようなピストル持った戦後の闇市上がりの経営者もいました。


 


オッリクスの宮内義彦氏や村上ファンドの村上世彰氏の父親も、関西の貿易商でした。


 


高学歴で、一見スマートな二人も、それぞれの父親から、商売の裏も表も数多くのことを学んだはずです。


 


それが良い方に出たかどうかはわかりませんが・・・。


 


 


それじゃ~続きはまた


 
【同病の三本松のおじさんの一言】

経営者としての成功の要素で運、根はわかります。今の時代はさらに創造力、企画力、実行力もわかりますが鈍とは意外です。それだけ戦後復興期は外部環境とやらがガラガラ変化してたのでしょうかね。


【返信】

鈍(どん)は 純(じゅん)に通じることは禅などで言われたことですが、現実の人間を見ていれば直ぐ気づきます。私が「鈍・純」を感じた経営者は京セラの稲森さん、イエローハットの鍵山さんでした。三つの中で何が最も大事と問われれば、私は「鈍」と答えます。最近のIT創業者にはこれが少ない分危うさを感じます。

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