脳卒中患者同士の集合知は、バカの壁をこえられるか [障害者として生きる]
集合知とは、たくさんの人の意見や知識を集めて分析すると、そこからより高度な知性が見いだせるというものです。
それぞれの個人のA.B.Cの意見から、新たなDという、より良い意見が導き出せるという集団的知性のことです。
ネット社会の進展で、当初、最も期待されていた役割です。
脳卒中患者同士はネット上のブログランキングサイトや Facebook の患者グループに集まっていますが、これらの中に集合知が見出せるかどうかです。
その中には、「奇跡の回復」や「脳卒中からの完全復帰」などと称する知識自慢のベテランがおり、このグループを、リードすべく断定的な意見を主張します。
集合知を導くという意識より、自分の優秀さ、優位性をアピールするという動機が強く、結果、原理主義的になりミスリードしている気がします。
そこには、ランキングサイト側の仕掛けた罠に簡単に落ちて、競争させられることにより、患者同士の連帯が分断されることに、無自覚な人がいます。
これれは、ひとつの「バカの壁」といえます。
ある時ブログランキングサイトで「障害者は謙虚であるべきか」という議論が起こりました。数多くの人が参加して意見を戦わせました。
私も、これら意見をまとめ、あらたな集合知を生み出せないかと、記事にしたのですが、一旦感情的になった人たちの反応はありませんでした。
(集合の知)フローチャートを使いこれまでの「謙虚」議論を活かす。
物事を考えるというより、自分の意見の正当性をひたすら主張するという方が多いのです。
過剰な優越感や自己主張、幼児性のナルシシスト。実生活の無力感を埋めるため他者攻撃に終始するなど「バカの壁」を超えられない。
反面、非常に優秀な知性、経験を感じさせる人も脳卒中のブログにはおられます。
私もずいぶん参考にさせていただき、助けていただきました。
私的「脳卒中ブログ村」にこれらの人たちの記事を集める試みを昨秋より始めましたが、大きな反応を得るまでには至りませんでした。私の力不足です。
ブログ生活を3年続け、ネット上の患者同士のつながりの良さも弱点も見出せました。
一旦この世界から離れ、幻想だと断定されている「集合知」の可能性も考え直して見たいと思います。
【追伸】
脳損傷の部位や程度が人それぞれ「十人十色」である以上、リハビリに絶対はないと思います。事実これまでも「奇跡の治療」と呼ばれるものが、「磁気治療」をはじめこの10年でも数多く出てきましたが、万人に効果があるものではありませんでした。
だからからこそ、エビデンスに基づく研究論文や治療側の意見、実際の治療を受け効果があった人、なかった人等の多くの意見が集まることが大切であると思います。それを参考に自分の治療計画を立てればいいのです。互いを感情的に否定しあうのでなく、ネット上に集まることで、新たな知(集合知)が生み出されると思います。
それじゃ~あと1日お付き合いください。
集合知だと良い方向に向くと考えがちですが、違った強い原子がいた場合に感染すると言う可能性も捨てきれませんね。
昔、自分が結婚生活をしていた頃、元妻は躁鬱病で入院する事が多く、入院する度に酷くなり、良く聞いてみれば中にそう言う因子が少なからずいると言う事でした。
そしてその因子によって影響を受けて悪化させる患者さんが多くいたと。
で、実際にその『因子』にあった事もあるのですが、まさに『物事を考えるというより、自分の意見の正当性をひたすら主張するという方が多い』と言う形に当てはまるんです。
いつまでも発展しない話のメリーゴーランド状態で。(笑)
今回の記事を読んでそんな事を思い出しました。
by kame (2019-11-10 02:57)
ありがとうございます。確かにその危険性はありますね。ですが、それもひっくるめて、脳疾患障害者の世界の集合知は必要だと感じます。つまりご指摘のようなミスリードされることが多いからです。
今回のkameさんの意見など様々な側面からの意見が出され、多くの人に読まれ、その「治療経験」というフィルターを通過することで誤った因子が消されていく、まさにこれが集合知だと思うのです。
一人の意見でなく、100人の経験や知見を通過するということです。
by meganesaru707 (2019-11-10 06:39)
ビッグデータによって各人にあった治療が見つかるといいですね。
たくさんの情報の中にキラッと光るものがあると思います。
まるで骨髄移植のように、たくさんのドナーが集まればそれだけ合致する骨髄が見つかりやすくなります。助かる人が出てきますからね。
壮大な取り組みで興味深いですね。
by ピストン (2019-11-11 01:04)
ビックデータ、AIにより治療方法が見つけられる。現実にリハビリ治療を受けている身からすれば、信じられない気もしますが、乗り越えるのが容易でない「人というバカの壁」を超えられる事を期待します。
by meganesaru707 (2019-11-11 06:33)