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病の皇帝「がん」(2) [お勧め本]

病の皇帝「がん」は上下巻と長く、海外の著者に特有の表現方法や医療専門用語など読みこなすのは難しい面があります。幸い、大阪大学中野徹教授の文末の解説が非常に上手く全体像を解説されています。今回、この解説をご紹介します。



病の皇帝「がん」に挑む ―  人類4000年の苦闘 下

病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 下

  • 作者: シッダールタ・ムカジー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/08/23
  • メディア: 単行本




大いなる 未完 大阪大学大学医学系研究所 教授 中野徹


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◆がんの存在は古代エジプトのよから知られていた。 存在が知られる前からも多くの人の命ががんによって奪われていた。


しかし人々はその本質を見誤っていた。ありもしない体液の異常によるものであると思い込まされていたのだ。


 

◆ その実態が細胞の異常な増殖による、と正しく理解されるのは19世紀になってからのことである。それでも20世紀に入り勇気ある医師達は、がんがどのようなものであるかの理解もなくそれに対する本格的な攻撃を開始する。


 

◆ ウィリアム ハルステッドは 文字通りメスを片手に切り込み、シドニーハーバーは化学療法剤という「毒」を駆使して立ち向かった。


人の命を奪い続けた怪物を原因が分からなくても少しは退治することができたのである。


 

◆一方で攻撃だけでは十分でないことも分かってきた。 その原因は何か、どうすれば予防できるのかが調べられ、最大の犯人として「たばこ」が指名手配された。


 

◆そして20世紀から21世紀にかけて分子生物学の進歩は、その根本的な原因を明らかに明らかにすることに成功した。その結果は大きな驚きをもって迎えられた。異形の怪物の原因は、我々自身が有する内なる遺伝子の突然変異の蓄積によるものであったから。


 

◆天才科学者香るエールリヒ は「 特異性」という概念を武器にがん細胞だけを選択的に攻撃する魔法の弾丸を使うことができればがんを治療できるのではないかと夢想した


その着想から一世紀半、人類は「分子標的療法」(※1)という魔法の弾丸を手に入れたかのように見える 。


 

◆いくつかの種類のがんに対してという限定付きではあるが、がんの分子生物学的研究は副作用が少なくて 著効を示す「分子標的療法」をもたらした 。


その代表選手である乳がんに対する ハーセプチンと慢性骨髄性白血病に対するグリベックは、 何もが年間40億ドル以上も売り上げるブロックバスターだ。


 

◆この本で終始繰り返されていることは、がんは、一つの疾患単位としてまとめられてはいるが、その種類やできる臓器によって、原因、経過、そして治療法の有無、など千差万別なのである。そこを十分に理解しておかないと いざという時に判断を誤りかねない。


 

◆がんはその生物学的な特性から 撲滅されるようなことは未来永劫にわたってありえない。 その意味において がんの物語はいつまでたっても未完である。


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※1分子標的治療(ぶんしひょうてきちりょう、英: molecularly-targeted therapy)


 


ある特定の分子を標的として、その機能を制御することにより治療する療法。


正常な体と病気の体の違いあるいは癌細胞と正常細胞の違いをゲノムレベル・分子レベルで解明し、がんの増殖や転移に必要な分子を特異的に抑えたり関節リウマチなどの炎症性疾患で炎症に関わる分子を特異的に抑えたりすることで治療する。


 


従来の多くの薬剤もその作用機序(薬物が生体に何らかの効果を及ぼす仕組み、メカニズム)を探ると何らかの標的分子を持つが、分子標的治療は創薬や治療法設計の段階から分子レベルの標的を定めている点で異なる。


また、この分子標的治療に使用する医薬品を分子標的治療薬と呼ぶ。分子標的薬の多くががん治療薬である。


 


 それじゃ~また


 

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ズボンに、留めにくいボタンがあるときは [片手で使う道具・住宅改修]

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これはプールで着替えする時に、腰に巻きつけるタオルです。

片手の私は、この手のボタン(上の白いボタン)をとめるのが非常に苦手です。片手では位置を確かめ、押し付けてパッチンとうまく止められないのです。

 

それでこのようにボタンとゴムを女房につけてもらいました。


ゴムを引っ張って一旦このボタンに留めます。それから上の白いボタンを留めるようにするのです。この方法だと割とスムーズにボタンを留めることができます。何ならそのままの状態でもいいのです。


ボタンが留めにくいズボンがありましたら、こんな方法も試してみてください。

 

それじゃ~また

 

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障害者初の国家公務員試験(2)試験を受けた人の声 [障害者として生きる]



【神戸新聞2019年2月4日】障害者初の国家公務員試験

 

試験そのものは、一部不満が上がったものの、おおむね個人(障害)への配慮がなされていたようです。

 

ただ、勤務地や仕事内容への不安は依然あります。そこらあたり、採用された人の声・満足度を次回の試験実施までに是非くみ上げていただきたいものです。

 

それじゃ~また

 

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