心の底「無念だ!」の思いが残っている [障害と自由句]
【香月泰男 運ぶ人】
深夜、全てを取っ払った
心の底
「無念だ」
という黒い石が
沈んでいた
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私は、同病者の方や看護師さんに「メガネさんは(障害者にかかわらず)明るい!」「メガネさん見ていると励まされる」と言われることが時々あります。
そんな時「能天気なだけです」「バカなんですかね!?」などと返事するのですが、これは謙遜してるわけではなく本音に近いのです。私は元来、楽天的な性格なのです。
そんな私も深夜、一人椅子に腰かけ物思いにふける時がたまにあります。「お前の本音はどうなんだ?」と自分に問いかけ心の奥底を覗いてみるのです。
すると全てを取っ払った心の奥底、中心核のようなところに「無念だ!」という思いを見つけ、自分ながら驚くのです。発病後10年近くたってもこんな思いを未だ残している。
こんな時、「失語症の夫と奥さんのご夫婦」、そんな2組のご夫婦が思いだされます。
同室となって以来、仲良くして頂いているのですが、表面的には明るいこの2組のご夫婦の「障害が重い上に言葉も出ない」、この無念さは、いかほど深いだろう。と、気になり始めるのです。
それじゃ~また