彼岸花哀歌 小倉くめ
彼岸花哀歌
一つ違いの兄ちゃんと一つ違いの弟が
無残に捨てられ殺された
その名も悲しい思川(おもいがわ)
父母いない旅なれば 道中(みち)はどれほど遠かろう
幼い二人の旅なれば道中(みち)はどれほど怖かろう
彼岸花
彼岸花
群れて咲け
幼い御霊(みたま)をなぐさめて
彼岸花
彼岸花
燃えて咲け
ふたりの旅路を照らすよに
線香花火か風車
群れて咲け咲け彼岸花
燃えて咲け咲け彼岸花
幼い二人の道連れに
小倉くめ詩集 「山より太い猪(しし)は出ん」
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本当に悲しい歌なんですけれど、もなんと美しい哀しい情景が鮮やかに浮かんできます。
群れて咲け咲け彼岸花
燃えて咲け咲け彼岸花
幼い二人の道連れに
くめさんの祈りのリズムが響きます。とりわけ哀しくも美しい詩です。私一度読んで大好きになりました。
秋の彼岸花を、こんな哀しい想いで見つめる人が数多くおられると思います。