お金奮戦記(その2)回復期病棟で [脳卒中で廃業から、老後資金作り]
回復期病棟で脳が徐々に回復してくると、青くなった。こっから先どうやって暮らしていくのかが、頭をもたげてきたのだ。それは直ぐにひどい恐怖感に変わった。
私は、しがない自営業者で何の休業補償もない。自分が働かなければ 1円の収入もないのだ。
一方で、女房に、子供三人(中学生と高校生の男の子、長女は社会人)。それに加え 高齢の両親、 女房の父親と近々 介護しなければならない老人が3人もいるのだ。
その何年か前、郵政民営化で日本中が揺れていた頃、田舎の知人三名が相次いで自殺した。
一人は認知症の母親を道連れに車で練炭自殺した。
一人は幼馴染、もう一人は郵便局職員だった。
3人に共通していたのは、一戸建を新築していたこと。子に中高生の兄弟・姉妹がいたこと。高齢の親と同居していたことだ。さらに失業等の仕事関係の問題を抱えていた。
自殺の真の要因など、他人にうかがい知ることはできないが、その後の子供たちの進路からすれば、その死によって結果的に教育資金が作られた様に私は感じた。
私もそうするしかないのかもしれない。楽天的な私もそこまで思いつめた。
そんな悶々としていたある夜、亡くなった幼馴染の奥さんが漏らした言葉が、ふとよみがえった。
「生きていて、そばにいてくれるだけで、良かったのに」
彼女はそうため息をついたのだ。
これで、我に返った。生きなければならない。
それじゃ~また
脳卒中後遺症の病苦からどうやって解放されるか お金奮戦記(その1) [脳卒中で廃業から、老後資金作り]
「脳卒中後遺症の病苦からどうやって解放されるか」というテーマでこれまで、「身体」と「心」の問題を取り上げてきたわけですが、もう一つの大きな問題が「お金」です。
ですけれども、この問題は、語るのが極めて難しいのです。なぜなら、個人差が大きく、だれにでも効果のある特効薬など、どこにもないからです。
仕事や経済的事情は、人により千差万別です。退職しているのか現役なのかにより違います。
サラリーマンでも公務員や大企業と、中小・零細企業で働いていたのとでは保障等に格差があります。
また、多くの家族を扶養しなければならない人と、扶養されていた人では置かれている立場が全然違います。
つまり、自分のケースが他の方の参考になるかが、そもそも疑わしいのです。
また、職種(事務系等)と、障害の程度により復職できる可能性は全く違ってきます。
さらに、幸運に恵まれるかどうか、この点も大きな影響があると感じました。
こんな中、自らの経験をぺらぺら語れば、ヘタすれば「結局、自慢してるのか!?」と受け取られる可能性もあります。
私は関西人で何に対しても大っぴらですが、”いい年をしての自慢話”は特に恥ずかしい事だと常日頃から感じてます。
それでも人生の中途で重い障害を負った者に、お金の問題ははずせない重要なテーマです。反面、同病者間でも直接話し合いが出来にくい微妙な問題です。
休業補償など何もない、しがない自営業者で、重い障害が残ったため仕事を失くし、一方で多くの扶養家族を抱えていた私だから、同病の方やそのご家族に僅かでも役立つことがあるかもしれない。そんな思いで、これから何回かに分けて経験や思いを語りたいと思います。
片手でゼムクリップ止めできる [片手で使う道具・住宅改修]
脳卒中片麻痺で片手が全く動かなくなった。
困った事の一つが紙(書類)の取り扱いだ。
コピーや書類を、揃えて、留めて、封筒に入れる。これらの動作が、ひどく困難になった。
クリップで止めしないまま置いておくとバラバラになってしまうのだ。ホチキスで強引に止めれば、ばらすとき手間取る。
特に数枚の紙(書類)の取扱いに困るのだ。
十枚前後になると上の様なダブルクリップで止めておけばいいのだが、数枚程度でダブルクリップを使用すると、留め具がかさばりすぎる。
役所などから届く障害年金や福祉関係の書類は数枚以内と言ったことが多いので、仕方なくゼムクリップ留め女房に頼んでいた。
病後10年、もう自分ではゼムクリップで止めるのは無理だと、すっかり諦めていた。
そんな時この道具を見つけた。すぐに取り寄せて使ってみた。
これなら片手で十分操作できる。長年の課題が解決された。
リヒトラブ ゼムクリップ とめ機 クリラーク 水 M22-14
- 出版社/メーカー: リヒトラブ
- 発売日: 2020/06/08
- メディア: オフィス用品
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紙をはさむクリップ
それじゃ~また