今回から 三好春樹先生と、和風建築の会社を経営されている 吉眞孝司氏との共著


 


『バリアフリーは間違っている


「介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅」』


を何回かに分けてご紹介します。


 





介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている



  • 作者: 三好 春樹

  • 出版社/メーカー: 雲母書房

  • 発売日: 2005/05/01

  • メディア: 単行本







まず三好先生がお書きになっている前半部分です。




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■ 自立した個人を良いものとした市民的理念、 バリアフリーという画一的理屈ではなく、老いが求めるのは〈生活〉である。老人たちが続けてきた生活習慣だ。




老いをを内包した家づくりとは、何か特別なことではなく日本の文化が反映するような生活的な家づくりである。





■ お風呂



【施設にある「家庭用湯船」】




バリアをなくすため浴槽の縁を床と同じ高さにする というのが「落とし込み型」「完全埋め込み型」です。ですが、洗い場で床にしゃがんで出る時はまた床から立ち上がるという動作をします。障害のない老人でもこれは大変な作業です。


 


和式の小さな浴槽、縁が40 CM の高さになるようにして、座って出入りするのが一番安全だ。段差がないのが、バリアフリーじゃないんです。




そして広い浴槽ですと、足が浮いて頭が沈みますが、狭い浴槽だとその心配がない。






■スロープは最悪




スロープというのは人を乗せて自分で車椅子を押してみればわかりますが 若い人でも息が切れてしまうと大変なんです。 ましてや老老介護の場合、途中で力尽きてしまい二人で一緒に事故を起こすのです




最低1/12の勾配、理想的には1/20だとか言いますが、1/20ということは50 cm の段差を上がるにしても10 m 必要です。そんな空間がを日本の家屋敷でとるのが難しい。


取れたとしても、おばあさんが車椅子に乗ってバックして降りるというのもうアクロバットに近くなって危険極まりないものです。


 




■介護の原則としての「環境を変えるな」「生活習慣を変えるな」


 


介護が大変だからというのでバリアフリーとか介護対応型とか高齢者用住宅というような何か一つの理想があってそれに近づけていくという思考方法でなく、これまでのやり方をいかに継続するか、まずそのことを考えるべきだ。


都合は色々あるにしても、これまでの自分と、体が不自由になったら自分は、継続しているんだという気がすることが、痴呆にならないためにも大切なのだ。


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それじゃ~続きはまた