今回から、建築家である吉眞孝司さんのお書きになった後半部分を何回かに分けて紹介いたします。


 

ここで、小松邸が実例として登場します。依頼主の小松さんは、長い間老人介護に携わってきた方で特養の施設長をされています。 その経験をもとにしているのでしょう。きわめて実務的で参考にできることが多いと感じます。


 

 





介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている



  • 作者: 三好 春樹

  • 出版社/メーカー: 雲母書房

  • 発売日: 2005/05/01

  • メディア: 単行本






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障害を持ったら、2階はあきらめる 




階段の壁にレールがついていてその上を昇降するというものがありますが、危なくてとても勧められません。


 


あれはスキー場のリフトと同じで腰掛けるようにしかなっていない構造で、支えてもらっても不安定です。 スキーをするような人は健常で、力もあって、両手両足が使えます。またリフトは正面を向いて上昇するので強くはないでしょう。 家にいて機械の力を必要とされる人は大抵バランスを取るだけでも大変です。足が宙ぶらりんで届かない、しかも片マヒだったらどうすればいいのでしょうか。


 


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和室を車椅子の高さにする




依頼主のの小松さんは長い間老人介護に携わってきたその経験をもとにしているのでしょうか、和室はかなり高くしてくださいという要望がありました。 バリアフリーの逆です。




俺の車椅子の高さに上げろと、 車椅子のシートの高さ(40センチ)があれば、障害を持った時に、 敷居に寄って行って、車椅子から畳に寝っ転がることができる、ということなんです。 ゴロンと横になれたらいざり歩行で移動すればいいからです。 そんなことは今までの建築の考えにはなくて思いもよらないものでした。



【上記の写真は、「かんぽの宿」のバリアフリー対応客室です】




※いざり動作・歩行



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和室の高さを 車椅子の高さに してあるという部屋を、 旅行した時に 障害者用の部屋を予約し経験しましたが、非常に便利なものです。和室で 立ち上がりは目線が高くなりますので多少恐怖感がありますが 、いざり動作で這っての移動するには全く問題ありません。下の床に降りるときが、非常に楽なのです。


 


それじゃ~続きはまた