実は私も「奇跡の人」ミラクルの疑いがあるんです(笑)

周りの誰も奇跡とは言いませんし、本人自体がすっかり忘れていたことなのですが・・・。何度か奇跡をテーマに記事を書いていて突然思い出したのです。そうだ、誰かの論法に乗っかれば私も奇跡の人では?と思い至ったのです。




私は、脳出血で倒れ病院に緊急搬送され、その後意識不明になりました。最初の1週間は記憶があいまいです。妻に言わせるとボーとして何も喋らなかったそうです。それに加え排尿できない。排便できない。できないことだらけでした。




1週間くらいしてリハビリが始まりました。机のふちをもって歩く訓練と言語訓練が主でした。言語訓練では、「あ」「い」とかの発音練習から始まりました。それから3週間、カード使った訓練から言語聴覚士(ST)の質問に答える訓練までしました。それでお終いです。3週間後には、多少つっかえながらも会話することが出来ていました。




その後、リハビリ病院に転院、回復期のリハビリが始まりました。ここでは言語訓練は一切無し。その後も一切言語のリハビリはやっていません。それですっかり忘れていたのです。




でも、だれかの論法に従えば倒れた直後意識をなくし、一切喋れなくなっていたのが、普通にしゃべれるようになった。これ奇跡の回復では・・・?

そんなわけありません(笑)ただ言葉の障害が軽かっただけです。いいえ、私は左麻痺ですから言語脳の損傷そのものがあったかどうかさえ疑わしい。




こんな人たくさんいると思います。発病直後の急性期1週間の状態では、脳画像を見ている専門家でさえ判断できない事があるのです。私の緊急病院は政令指定都市の国立病院系の大病院でしたが、それでもこんなものだったのです。





ですから気安く奇跡などと呼びたがる人は同病者にもたくさんいますが、そんな声に惑わされてはいけません。「奇跡」に見えても、それはイチローのいう様に地道な努力の積み重ねの結果です。たいしてリハビリもせず奇跡が起きるはずありません。それは最初から脳の損傷が軽かっただけです。




皆さんも、もし自分の周りで「奇跡が起きた」「奇跡が起きる」などと簡単に言う輩がいれば、「新興宗教の勧誘」か、「詐欺師」か、と疑うと思うのです。「脳卒中片麻痺に効く奇跡の食品!」などの広告、皆さん誰も 引っかかりませんよね!?


それじゃ~また。