今日は「都道府県対抗女子駅伝」の日ですが、私はある一人の選手をを思い出しています。


 

京都代表として2年連続でアンカーを務めた奥野有紀子(資生堂)選手です。奥野選手は2年連続1位でたすきを受けたにも関わらず2度とも逆転されてしまった。第33回15年は2位、第34回16年では1分以上のリードをもらいながら愛知の鈴木亜由子選手に追いつかれ結局4位にまで落ちた。













こう聞けば思い出される方も多いのではないか。レース後涙にくれる奥野選手が、私は強く印象に残りました。


 

京都は優勝回数10回以上を誇る圧倒的ナンバーワンの存在です。京都の代表でしかも最長区間の10区を任される奥野選手が弱い選手であるわけがない。事実京都産業大学時代にはユニバシアードハーフマラソン銅メダル獲得、2014年大阪国際女子マラソンは学生でトップの8位入賞と素晴らしい実績を残しています。


 

ただ奥野選手は典型的な持久型のマラソンタイプの選手です。10キロ というと駅伝では長距離区間ですが、マラソン型の選手が勝負するには短すぎるのです。これが一番得意なのは、トラックの1万mを専門とする選手です。奥野選手が敗れ去った相手はリオ1万m代表の鈴木亜選手(愛知)、世界選手権1万m代表松田選手といった1万mトップ選手です。


(写真真ん中が松田選手、左が鈴木選手です)



 


結局、奥野選手の最終区間は適材適所デなかったのです。強力な京都チームにそんな選手がいなかったということであり、これでは所詮優勝には届かないでしょう。


 

でもこんな派手な逆転劇の当事者に2年連続なってしまった奥野選手、精神的なダメージは相当なものだろうし、陸上が嫌にならなければいいがと、非常に心配になったのです。


駅伝全盛の昨今、こんなマラソン型の選手は苦しいのです。


 

幸い資生堂でそれからも競技を続けられ、2016年東京マラソンでなんと日本人1位となられています(下の写真右)。2017年の名古屋ウイメンズマラソンは残念ながら2:45:56で34位でした。しかし私はこれからも奥野選手のマラソンを応援します。


そういえば、資生堂には加納由理という素晴らしい選手がいました。須磨学園から立命館大学を経て資生堂に入りました。








 



加納選手は1万mも31分台の記録を持っていますが、やはり適性はマラソンにありました。東京国際女子マラソン第2位( 2時間24分27秒 )名古屋国際女子マラソン 優勝(2時間27分11秒 )、ベルリン世界陸上女子マラソン 第7位(2時間26分57秒) など活躍されました。
 
2016年東京マラソン奥野選手のフィニシュ。日本人1位の輝かしい成績です。ちなみにこの時日本人6位が市民ランナーとして参加された加納選手でした。





奥野選手も加納選手のように是非マラソンで増々輝いてほしいと願っています。


 


頑張れ奥野有紀子選手!