人間は自分勝手な 論理を組み立てる 動物である( 山田風太郎)


 


病室では、これを実感するケースに よく出くわします。


今回、 テレビを イヤホンなしで小さな音で聞いている人がいました。これでも結構気になる時があります。




「そんな小さな声でしたら聞きにくいでしょう。イヤホンお貸ししましょうか?」 と尋ねると 「私はイヤホンをするのが嫌いなんです 。 前の病室では、みんなイヤホンせずに 、大きな音で自由にテレビを見ていたのです 」と、あたかも今の状況が不自然なようなものの言い方です。




最初は周りの反応を伺っていたこの人、他の方が文句を言わないとなると、 ボリュームがだんだん上がります。他の二人は車椅子生活で活発に生活やリハビリが出来る人ではないのです。この人、私が通りかかるとバツの悪そうな顔で目をそらします。私は読書に集中する時は耳栓をしたり。音が漏れないイヤホンで音楽聞いたりしますので、実質的には影響受けないのですが、他のイヤホンでテレビを見ている人の本心はどうでしょう。




こんなふうに、長く同じ環境で生きてきた人は、頑固に家での生活を貫こうとします。そのために自分勝手な論理を組み立てます。山田風太郎先生の言われるように困った存在なのです。




今日は、病棟の面談や、食堂に使用する共有スペースでスマホをイヤホン無しで聞いているバカ男に出くわしました。私が多少うるさく感じイヤホンを取り出し音楽を聞きだすと、あわててその場を去っていきました。困ったやつはどこにもいるもんです。


 


それじゃ~また