神戸新聞2019年4月12日の記事から抜粋




◆地域で生きがいを見出す


定年後、地域で生きがいを見出す人もいる。名古屋市南区で活動するシニア男性のボランティア組織「男塾」は、メンバーの川原義博さん(69)にとってかけがえのない「居場所」だ。


65歳まで理髪店や運送会社で働いいた。約10年前に転居してきた町に知り合いはいなく、定年後はパチンコ店に通いつめていた。


妻や義理の母と暮らす川原さんが、男塾のサロンに顔を出し始めたのは2年前。塾長の松下重幸さん(68)に誘われた。


男塾は、病院などを運営する南医療生活協同組合(名古屋市)と連携し地域の人々の「困り事」を手助けする。


外出が難しい高齢者の散髪、庭木の剪定、一人暮らしの高齢男性の話し相手ー。「少しでも力になれることがうれしい」と河原さん。




◆社会とつながりを取り戻せば、人は息を吹き返すんです


昨年夏、脳梗塞で2ヶ月間入院した。リハビリの励みになったのは見舞いに来てくれた男塾の仲間たちの存在だ。


男塾は会費も規約もなくボランティアへの参加も自由。立ち上げた松下さんによると支援を受けた男性が「支える側になりたい」と活動に加わることもある。松下さんは実感を込めて言う「社会とつながりを取り戻せば、人は息を吹き返すんです」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー