今回から『井上一馬著 「試行錯誤の文章教室」』をご紹介します。文章のプロは、良い文章を書くためにどんなことを心がけているのか、ハードルは少々高いですが、ご紹介します。(☆は私の感想です)







試行錯誤の文章教室―書き方・読み方・訳し方 (新潮選書)



  • 作者: 井上 一馬

  • 出版社/メーカー: 新潮社

  • 発売日: 1997/04

  • メディア: 単行本







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◆いつも良い文章を書きたいと思う


いつも良い文章を書きたいと思ってきました。自分の気持ちや感動をよりうまく伝える文章を書きたいと思ってきました。 その過程はまさしく試行錯誤そのものでした。




☆当たり前ですが、自分の気持ちや感動を伝える良い文章を書こうという強い思いと、試行錯誤なんですね。




この一文に著者の文書に向かう誠実さや謙虚さが、よく現れています。この人の言葉は信用できそうです。


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◆文章を書くための二つの作業


文章を書くときには、まず何を書くかを考え、 必要ならば取材や文献渉猟( しょうりょう=書物を読みあさること)などを行って、自分の頭の中でおおよそのイメージを作り上げます。ここまでが最初の半分の作業です。




そして後半の半分の作業では自分の作り上げた そのイメージに可能な限り近い形で文章を書き上げていきます 。




文章を書く作業は大きく分けてこの前半と後半の二つの部分によって 成り立ってるということができると思います。この二つの部分は車の両輪とも言うべきもので、 もちろんどちらとも重要なのですが あえて言えば後半のどう書くかよりも、前半の何を書くかの方が、より重要な意味を持っていると言えると思います。




☆ これは本当にそうだと思います。要はテーマを企画する力です。これには広い視野が必要で、知識を蓄積するだけではダメです。


 


TVのコメンテーターなども、テーマ与えられで、知ったかぶりして、ああだこうだいっていますが、結局平凡で、オリジナルな意見はほとんどありません。ブログでネタをパクる人も同じです。



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 ◆真実は 細部に宿る。

 小さなことに注目する。 例えば、靴を見てその裕福度をチェックする。




☆ これは多くの方が経験上知っておられることではないでしょうか、 私も仕事が受注できず苦しい生活をしていた時、本当にみすぼらしい革靴履いていました。 だから うまくいかなかったのですが・・・。


 


表面上の飾った言葉ではなく、ディテールにその人間の本質が現れる。そのことを、表現する者は、知っておかねばならないということですね。




ちなみに私は、どうしても営業マンの靴に目が行きます。くたびれた靴だと、逆に注文してあげたくなるのです。


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◆個人的な恨みつらみだけは絶対に書くまい


個人的な問題はいくら書いても人を傷つけるだけで、書くことによって何も解決しないのです。




☆これは私も心がけねばなりません。


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◆本物の一文を書く


プロの世界では全体がよくかけてるだけではダメなのです。その中にキラキラとダイヤモンドのように光り輝いている一文が必要なのです。


 


その一部分があって初めて全体が生きてくるのです。 谷崎潤一郎は 名文の条件として、「長く記憶に止まるような深い印象を与えるもの」「何度も繰り返して読めば読むほど滋味(じみ=豊かで深い精神的な味わい)が出るもの」と言う二つの要素を上げています。





☆名分は難しいですが、「メッセージを明確に伝える」一文は心がけたいところです。


 


この一文に関し紹介された作家の例文がものすごく味わい深いのです。次回からこれを詳しく取り上げます。


 


それじゃ~続きはまた