皆さんお久しぶりです。一休みのつもりが、 気がつけば、あっという間に半年が経ってしまいました(苦笑) 


 


その間、「脳と身体動作」、「武術」、「脱力ストレッチ」等の書籍を読み、一部損傷した脳であれこれ考えていました。もちろん試行錯誤の自主リハビリも継続しています。


 


そして最近、「脳卒中後遺症の病苦から、どうやって解放されるか」というテーマの ある種方法論の入り口に立った気がするのです。


 


今回それを4回に分けて、簡単に記しておこうと思います。





私は今春、脳卒中で倒れてから10年が経過しました 。自分なりに懸命に自主リハビリに取り組んできました。室内では装具、杖無しで、物を持って何とか移動できるようになりました。しかし、手首や指は病後ピクリとも動いたことがありません。


 


障害者手帳をもらえる程、後遺障害が重いと、元の状態に回復するのは非常に困難であると感じます。




ですが、あきらめて何もしなければ、あっという間に身体は硬直し腕はひん曲がり、寝たきり状態になってしまう。




慢性期の重度障害者は、こんな希望が見えないなさけない状態に追い込まれます。


この病苦から、どうやって解放され、希望をつなぐことができるのか、これが大きなテーマです。




所で、脳卒中後遺障害の病苦には、大きく分けて三つにあると思います。


一つ目は「身体の問題」 、二つ目が「心の問題」、 そして三つ目が「経済的な問題」です。 今回はこの「身体」と「心」の問題について取り上げます。




◆.病苦その1「身体の問題」




身体の麻痺が順調に回復すれば、脳卒中後遺症の病苦といったものは比較的感じなくてすみますが、重度の後遺障害になるとそうはいきません。この後遺症は頑張れば頑張るほどよくなるといった単純で生易しいものではないからです 。




自宅リハビリは陽性徴候との戦い




著名なリハビリ医である太田仁史先生は、『脳卒中のリハビリは「陽性徴候」との戦いである』と述べらます。




「陽性徴候」とは、反射の亢進、痙性、拘縮、クローヌス、共同運動、連合運動といった慢性期の我々を悩ます代表的な症状です。もう一方の「陰性徴候」とは筋力の低下のことをいいます。




さらに「自宅リハビリ訓練とはこの新たに出現してくる陽性徴候との戦いであるといっても言い過ぎではない」




「この戦いは一生続きます。ケアの手を休め訓練を怠ればたちまち手足に惨めな変形をきたす」と続けられます。




機能回復の前には、まず「陽性徴候」という機能低下と戦わなければならないいという事です。




私も10年リハビリを続けてきて、過緊張がもたらす「陽性徴候」といったものに悩まされ続けました。




麻痺した手足を動かそうと頑張れば頑張るほど、筋緊張が高まり、陽性反応が強化され一層動きにくさがもたらされてしまうのです。




そこで私が目を付けたのが、力を入れず動作する日本古来の動作方法です。これは筋力を頼りとした西欧式の動作方法とは明らかに異なるものです。中国も含め東洋式動作方法と呼べるものです。




腹式呼吸法を取り入れる




この東洋式の動作を研究をする事が、今の私の課題となった訳ですけれども、その中で「呼吸法」というものに注目しました。いわゆる「腹式呼吸」というものです。




武術などでもこの腹式呼吸が重要視されますし、私自身、長くスポーツをやってきて過度な緊張をゆるめる為に腹式呼吸が非常に有効であることを体験的に知ってもいました。





最近流行の体幹トレーニングには「ドローイン」といって腹式呼吸を使いインナーマッスルを鍛える方法が使われています。




このように腹式呼吸と動作を組み合わせることは「陽性徴候」を引き下げる意味でも非常に重要であると思います。




長くなりましたので続きは次回とします。


 


それじゃ~また