2018年10月30日発行の宮本輝著「流転の海」第9部「野の春」ようやく読み始めました。


 




流転の海 第9部 野の春



  • 作者: 宮本 輝

  • 出版社/メーカー: 新潮社

  • 発売日: 2018/10/31

  • メディア: 単行本






最終ということで、読みたくもあり、読んでしまうのが惜しくもあり、今日まで、ずるずる来ました。週末少しまとまって時間が取れそうでしたので、集中して読むことにしました。




結果、いつものように、読み始めたら引き込まれ一気に2日で読了しました。

福武書店の初版が1984年で、それから35年経っています。




野の春に生まれ、野の春に死んでいった無名の男。昭和の時代の波乱万丈の人生。多くの読者と同じように、私も30年以上かけて、この物語を読んだことになります。




降りそそぐ春の光と花の中に生まれ、事業に情熱を注いで、妻に甘え、息子を溺愛し、何より人間を愛した男の物語です。




最終の死に至る行程は、やはり平坦ではありませんが、交流のあった人々に囲まれた野辺送りのようです。春の柔らかな光の中で終りを迎えます。




次回から何回かに分けて、第9部「野の春」の内容をご紹介します。なぜ父熊吾は息子正仁(宮本輝氏)に最後になって残酷な言葉を投げかけたのか、私なりに考えてみたいと思います。


 


題名の「野の春」ですが「春の野」ではありません。つまり「野=宇宙」そんな認識だと思われます。


 


なお宮本輝氏には「春の夢」という作品があります。これは父亡き後の日々が描かれています。


 




新装版 春の夢 (文春文庫)



  • 作者: 宮本 輝

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋

  • 発売日: 2010/05/07

  • メディア: 文庫






 


 


【参考】 運命を決める意志 宮本輝氏「長流の畔(ほとり)」(流転の海第8部)


 


それじゃ~続きはまた