◆「リハビリテーションという幻想」という中々刺激的な表題ですが、非常に興味深い内容をふくんでいます。 端的に言えば、介護職(生活リハビリ側)からPT・OT(医療的リハビリ側)への批判なのです。 ◆三好春樹さんと高口光子さんの対談本ですが、お二人ともPT(理学療法士)でありながら介護の世界に身を置かれています。 ◆つまり我々片麻痺障害者も医療的リハビリ(体の機能を回復させるリハビリ)から生活リハビリ(生活をしやすくするための動きのリハビリ)に重点を移し、 その基盤の上で「やりたいことをやる人生」を過ごすことが重要ですが、その移行をスムーズに行う必要がある。それを医療側が妨げるな!と言う話です。 ◆「リハビリスンドランド症候群」という言葉があるそうです。 これはリハビリが済んでいないと言って自分の楽しみを棚上げしてしまう症状のことらしいです。 ◆旅行したいと、一生懸命歩く練習するが、それが思う通り行かないからと言って旅行も行かずさらに機能回復リハビリにのめり込むケースですかね。 一度近場からでも実際に旅行してみないと、何に介助が必要か、これからどんな動作リハビリが必要かはわからないのに、それをしないで、機能回復リハビリばかりやっているケースってありますよね。 ◆不自由だからこそ味わえる人とのふれあいや感動がある ことを知らず、小さな機能回復リハビリの世界に閉じこもっている。 ◆一方、医療リハビリの世界は医療点数獲得のため「機能回復」幻想をふりまき続けこの様な人を支援するという構図。 これが片麻痺障害者の慢性期の構図ですかね。それが明らかになるからこそ興味深い内容と言えます。 次回はさらに対談の内容に踏み込んで、我々片麻痺障害者で慢性期の人間はどう対応すべきか考えてみたいと思います。 それじゃ~また。 | ||
- お勧め本
【同病の三本松のおじさんの一言】
年齢と共に、リハビリの重点を機能回復から生活に則したリハビリにシフトしてゆくことは納得なんですが、実際に具体的にはっきりその境界を分けるのはむつかしいです。現実は健常者より限られた日常生活を充実させつつ、一定時間試行錯誤から得た自分流のリハビリを試行してゆくのが精いっぱいで、これで十分だと自分で納得させています。
【返信】
私の場合も、毎日の自主リハだけです。リハビリ医に勧められる医療的なリハビリには、現状においては興味を失くしつつあります。自然体、自分流ですね。