介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅(2)トイレ [片手で使う道具・住宅改修]
三好春樹先生と、和風建築の会社を経営されている 吉眞孝司氏との共著
『バリアフリーは間違っている
「介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅」
の2回目は、障害者となって、真っ先に頭を悩ます「トイレ」を取り上げます。三好先生がお書きになっている部分です。
介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている
- 作者: 三好 春樹
- 出版社/メーカー: 雲母書房
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 単行本
■トイレ
◆Aタイプ
トイレではやはり便器の向きが大事です。
扉を開けてまっすぐ入った時に、一般に便器は図 A のように右側が背中で 左側が前になっています 180度回転しなければ座れないタイプに作られているものが大半です。
配管を壁の奥、大抵は家の外の方から回すのが常識になってるから、どうしてもそのようになってしまうのです。その上狭いと、介助者も入りようがないし、180°回転するのは手すりがあったとしてまず難しいでしょう。
◆Bタイプ
それで私たちが 進めているのは、スペースが少し必要になりますが、逆に B のような位置関係 にする便所です。
右マヒの場、廊下から奥の方を向いて入って正面に手すりが付けてあれば 点線のように横移動ができます。もしスペースがあれば両方から入れるでしょう 真ん中あたりにカーテンがついていれば、だれかがあけても見られないので理想的です。
◆Cタイプ
普通の家だとそうはいかないので、もし改造するのであれば狭いトイレでもCのようにすれば90°の回転で済みます。 さらに車椅子の肘当てが外せるタイプのものにすれば、相当重症の人でもほんの少しの介助で、楽にトイレが使えるようになります。
C のように設計するのは大掛かりな工事でも何でもないはずです。 施設は比較的スペースがあるわけですからトイレぐらいこの程度の工夫はしてもらいたいと思います。
◆介護保険ができ一般の人も介護や自分の親について考える機会がずいぶん増えてきた。しかし 老いや介護の実態を知らない人のやることにはピント外れなことが多く、若くして自立している自分を基準にする自己中心性に気づかない。
◆最も呆けている人が、落ち着くような施設を作るべきなのだ。 そうすれば完全個室になんかなるはずない。 だって深く呆けた人は、個室によるプライバシーなんかより、襖や障子で区切られたくらいの空間と人間関係の距離で落ち着くのだから。
◆障害があっても入れるということがなかなか世の中の人にはわかってもらえないんですけど 段差がないのはバリアフリーじゃないんです
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トイレまで行けなくなった場合、こんな方法もあります。
◆ベッドサイド水洗トイレ
それじゃ~続きはまた
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