遠藤滋の歌(5)相模原障害児殺傷事件に寄せて


 


遠藤滋さんの歌の紹介(5)です。これはNHKEテレで「えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋」として2018年7月28日(土)に放送されたものに基づいてその歌を紹介いたします。




 





現実生活でうまくいかない。存在価値が社会的な人間関係の上で感じられない。そんな自分に対する恐怖への代償行為による犯行だと植松被告を看破しているのです。
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・他人ごとと思へる恐れを感じをり介助者一人に不安のあれば


 


・弱さをも晒す勇気を持ちてこそ強き男と汝はい言いたり


 



遠藤 滋 Endo Shigeru

1947年5月
静岡県に生まれる。仮死状態で生まれ、1才の頃、脳性 マヒと診断される。

1974年3月
立教大学文学部卒業。
都立光明養護学校に、教員として採用され、職場での差別と闘いながら、小田急線・梅ヶ丘駅に車椅子用スロープをつける運動に関わったり、世田谷区に対して、介護人派遣制度の改善を求める運動を始めるなど、地域の障害者活動に積極的に参加する。

1985年7月
『だから人間なんだ』を友人と自主出版。この本づくりが、ありのままの命を祝福し、命を生かし合うことを、自己決定して生きるきっかけとなる。

1991年~
まったく寝たきりの状態となる。〈えんとこ〉の場で、介助者のネットワークを組織、独り暮らしが始まる。