■現在の状況
子供は全て独立し、私の父と母も無事見送った。
あとは、義父が老人ホームの生活に慣れてくれれば良し。
まだまだボンヤリとはできないが、少しほっと一息ついている。
思えば、脳卒中になってこの10年。誰にも頼れず、どケチ女房と二人で知恵を絞って生きてきた。
それでも、関西人らしく深刻にならず、大笑しながら過ごし、時に大声で怒鳴り合う。
回復期病棟での思いつめた暗い時からすれば、隔世の感がある。
■なぜ苦境から脱出できたのか
苦境から、どうして脱出することができたのであろうか。幾つか理由がある。
第一は、女房の力である。
ネット販売をある程度軌道に乗せていたこと。これは宅配業者の集荷時間以外で、時間に縛られることがなく、しかも1日2~3時間で済む。だから介護、家事・子の世話と並立させられた。
そして教育資金を貯蓄してくれていたことも大きな安心につながった。
また、私も女房も幼い頃から三十代後半まで、お金で苦労し続ける経験値があったこともベースなった。貧窮生活のノウハウを身につけていたのだ。たまたま倒れる前の十数年が良かっただけだ。
それは小さな鉄工所を経営し、創業から長い間にわたり、苦労して設備投資を続け、借入金の返済が済んだ頃に、思いがけない大きな果実手にした両親の姿と重なる。
母は反動のようにお金を使ったが、我がドケチ女房は、手にした小さな果実を消費しなかった。これに助けられた。
また、収入のポケットが、いくつかあったことも大きい。一つ一つは少額でも合わせれば生活できる額となった。
さらに売掛債権が全て回収されたこと、母が生命保険に3大疾病特約をつけていたという幸運にも助けられた。
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続きは次回に。
それじゃ~また