これほど拘縮ケアのことを、理論的・体系的に、しかも写真と図表を多用してわかりやすく説明された本読んだのは、私初めてです。我々片麻痺障害者に重要と思われる箇所を抜き出します。


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オールカラー 介護に役立つ! 写真でわかる拘縮ケア



  • 作者:

  • 出版社/メーカー: ナツメ社

  • 発売日: 2016/09/01

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)










■いつも同じ姿勢でいると特定の筋肉が抗重力筋として働き続け拘縮でしまうのです。

重力の影響を受ける筋肉は「抗重力筋」と言います。抗重力筋が緊張して全身が硬くなります。例えば寝たきりでいると、下側の筋肉が「抗重力筋」となり、短くなります。ほっておくと下側の筋肉だけが縮んで体反り返ります 。



■どのような場面でも筋緊張をいかに減らすかを常に意識することが大切です。



■片麻痺の人の拘縮予防には非麻痺側の使い過ぎによる連合反応(注1)を防ぐことが第一です。生活期(維持期)以降は非麻痺側の負担を減らす配慮が必要。

特に立ち上がり起き上がり寝返りなどの動作時は負担がかかります。



■片麻痺で拘縮するケースでは装具の不使用が目立ちます。面倒だし、なくても動けると退院後に装着を怠る人が多いようです。今は良くても1年先2年先には、非麻痺側の機能まで無くしかねません。



■拘縮ケアには論的根拠が重要


筋緊張を 下げるための古典的方法に「揺らし法」があります。骨盤などを揺らすことで関節を動かしやすくするものです。学校で教わったという介護職もいます。しかし揺らすことでリラクゼーションが得られるか、その場合どのくらいの速度が適切かなど根拠となる情報が理解されないまま行われていることがあります。



■ストレッチやマッサージ、関節可動域訓練、電気療法、温熱療法なども同じ。拘縮改善の根拠が希薄で根本の原因である抗重力筋の影響を考慮していません。一時的に筋肉がゆるんだとしても、すぐに元に戻ってしまいます。ケアをするときは理論的根拠をよく考えた上で取り入れるようにしましょう。



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如何でしょうか。本当に納得です。他にも「ベッドでのクションを使った正しいポジショニング」や「拘縮部を無理なく動かす方法」等解りやすく大変参考になりました。


 

ただストレッチやマッサージ等について、効果が一時的であることはよく理解できますが、私は寝る前にストレッチを行うと、筋肉の緊張が和らぎよく眠れます。他にも特に緊張の強い時がありますので、低周波治療はこれらも私は続けるつもりです。



しかし糖尿病に対するように、病院で回復期リハビリの入院中、本人や介護する家族に、拘縮の基本知識取得のための「拘縮ケア教室」などと称しレクチャが組み入れられても当然良いはずだと私は思います。

 

(注1)連合反応

右側が麻痺して動かなくなっていたとしても、左側の筋肉に力を入れるとそれに連動して、一見麻痺している側にも何らかの筋肉の収縮が起こることを連合反応と呼びます。







それじゃ~また。