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「障害者にとって謙虚とは」 第1回 生きる知恵・武器としての「謙虚」 [障害者として生きる]

「生きる知恵・武器」としての謙虚(1)

 

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「障害者にとって謙虚とは」について考えてみたいと思います。


この記事は 脳卒中されど心は能天気 さんのブログ記事等から触発されたものです。ぜひ関連記事もお読みになって下さい。一見、挑戦的、挑発的、逆説的な記事に思えますが、大変考えさせられる多くの問題が提言されています。また、それ故に、村内で多くの誤解も招いたようにも思います。今回、私なりの解釈も述べてみたいと思います。

 

すみません、私は頭の回転数が限定されており、ゆっくりしか考えられませんので2回に分けます。

ちなみにこれは謙虚に言っているのではありません(笑)


まず今回は、「生きる知恵・武器としての謙虚」について考えてみます。


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電信柱にでも、頭を下げなさい


私に「商売の世界」の基本を教えてくれたのは、二人の人間です。幼少期、母は後継者と見定めた私に様々なことを教え込みました。小学4年くらいだったと思いますが、夜ふとんに入って「あの売掛金を、どうやって回収するか」を考えていた記憶があります。


もう一人は、将来の道を見つけられず迷い続けていた私を拾って(雇って)くれた「師匠」です。二人とも、貧しさ故に「尋常高等小学校卒」で、大変な苦労を重ねました。


師匠は、大阪の鉄鋼問屋の倉庫番(鉄骨の数を、チョークと指で数えていたそうです)から、その会社の社長にまで上り詰めました。仕事の傍ら通信教育で高卒の資格をとり、税理士試験にも挑戦したそうです(合格すべきは残り1科目だったそうですが、大病等で断念)


私は、その二人から奇しくも同じこと教えられたのです。それは「電信柱にでも、頭を下げなさい」と言う事です。


最初は何かの冗談かと思っていました。「何が面白うて電信柱に頭下げんといかんのや!」私は鼻っ柱の強い人間でした。


でも、学歴はもちろん、何の後ろ盾も、特別な才能も持たなかった二人にとって、電信柱に頭を下げる、すなわち「謙虚」とは、生きるための必死の知恵であり、武器であったのだと、年と経験を重ねると、そんな風に理解がすすみました。

 


生きる知恵・武器の中の有効な一つとしての「謙虚」

 

こんなこと書いてくると、それは「謙虚」じゃなくて単なる営業用の「猫かぶり」だ、人を欺(あざ)むいているんじゃないのか、と思われる方おられると思います。確かにそんな面が、多少なくはありません。


ですけれどもそれは、未だ何も手にしているものがない弱い立場の人間が「生きていくための必死の知恵」であり、「生きていくための武器」なのです。我々のような片麻痺障害者の「杖」と同じなのです。


私も36歳で独立した時は、開業エリアに取引先ゼロ、知り合いゼロのスタートでした。鼻っ柱の強い私も、「謙虚」にならざるをえませんでした。


でもそうした態度で営業を重ねるうちに、私の中にあった歪んだプライドがどんどん抜け落ちるのです。これは欠点の多かった私の人間性の大きな変容になったと思っています。


また、例えば伝統技能や職人の師匠についてその技を継承する場合を考えてみましょう。まず白黒と理屈を言わずに、師匠の全てを受け入れ、ひたすら真似をする修業時代が必要です。小賢しい、小器用な人間はこの段階で挫折します。


修業時代は、謙虚で素直が基本です。そうだからこそ、師匠も余すことなくその技能の全てを教えようとしてくれるのです。自分の工夫・独創が出るのはそんな修業時代を経た後です。

 


つまり、弱い立場の人間が「生き抜く知恵」、「生き抜く武器」の中の一つとして「謙虚」が有効だと私は思っています。もちろん生き抜く知恵や武器は、当然のことながら一つではありません。皆さんも多くの知恵と武器を身につけておられると思います。私は経験から「謙虚」は、知恵として武器として非常に有効なものの一つであると感じているのです。

 

障害者は「謙虚」を身に着け「人格者たれ」などと言っているのではありませんので、くれぐれも誤解なきように。ちなみに私の師匠たちは、反面「強烈な自己主張」の持ち主でもありました。

 

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次回は、障害者と謙虚についてさらに、考えを進めたいと思います。

 

それじゃ~また。

 

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