生きるって人とつながることだ! 著者・福島智 [お勧め本]
今回は、盲学校高等部から都立大学人文大学へ入学。その後研究者になることを目指して金沢大学教育学部助教授、東京大学先端科学技術研究センターの助教授となり、バリアー分野の研究をされている福島智さんの自伝的エッセイ集です
弱者として生きたからこそ、素晴らしい人の輪を手に入れた福島氏のお話は、我々片麻痺障害にとって、示唆に富んでいると思います。
それでは私のメモ書き等からご紹介します。
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◇私はこれまで<健常>→<全盲>→<全盲ろう>という三つの状態を経験した。これは、私が周囲の<世界>から徐々に隔絶されていった過程だと言える。だが、その一方で、より確かな結び付き、より豊かなコミュニケーションを経験できたように思う。
◇人は皆、異なる状況を生きていて、それぞれの条件の下でそれぞれの人生を生きている。
◇一見バラバラで、かけ離れた状況を生きているような私達だけれど、案外共通する問題やテーマを抱え類似した思いや感覚を抱いている面があるのではないか。
◇こうした共通のテーマの一つではないかと感じるのは、人生が様々な人とのつながりの中で織りなされるということだ。
◇私の場合、常に予想外の出来事があり幾度も不思議な出会いがあった。一見全く無秩序で無関係な経験の連続に思えるのだけれどそれらの経験が全体としたり絡みあって私の人生に結実している。
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如何でしょうか、我々片麻痺障害者は、身体的には弱者ですけれども、「弱者」の立場や「依存」せざるを得ない機会をとらえ、逆にきめ細やかなコミュニケーションをはかり、豊かな人間関係を築くことはできると思います。
良い意味での予想外の出来事は、我々にも起こると思います。
もちろん過度の依存や、「障害者の権利」を当然とばかり声高に主張し、してもらって「当たり前」と態度に表せば、逆効果になることは言うまでもないことです。この点の自覚は必要です。
同病のブログ村でも、つながることを無視し、礼を欠き、ただ批判的。人とのつながりを切り裂く言動をする人を見かけます。ランキング競争でなく、繋がることで豊かなブログ生活を楽しめるのに、残念で仕方ありません。
ご同病の皆さん、「生きるって人とつながることだ! 」と再度、確認しましょう。
それじゃ~また。
福島智さんと柳澤桂子さんの対談がテレビで放送されました。
(Eテレ「SWITCHインタビュー」)
私はその再放送を録画しておいてたのを、ようやく見ました。
私はその再放送を録画しておいてたのを、ようやく見ました。
テレビ画面では、柳沢さんはベッドの背を起こして、福島さんは介護者の指点字を使っての会話でしたので、最初、意思疎通がうまく取れるのかと正直多少ハラハラしていました。しかし、そんなことは取り越し苦労に過ぎませんでした。時に愉快そうに笑い合い、スムーズに会話は進んでいきます。
それにしてもお二人の知性には、驚嘆させられました。内容は、障害をもって生まれる命、母子、祈りの神経回路、神など多岐にわたり、私にとっては、新鮮で興味深い話が次々続きました。
生命科学者の柳澤桂子さんをこの対談で初めて知ったことも私には大きな収穫でした。彼女は生命科学者であり歌人でもあります。30年以上病気と闘いながら 数多くの斬新な著書を出版されておられるようです。私も是非読ませていただきたいと思います。
それじゃ~また。
タグ:片麻痺生活
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