知識や情報が増えることによって逆に退化してしまう能力 [その他(ブログ等)]
知識や情報が増えることによって逆に退化してしまう能力も人間にはある。(内山節著「哲学の冒険」)
これは、情報過多の現代人誰もが陥る罠だと思います。知識、情報に簡単にアクセスできるために、思考力、洞察力、想像力、感受性こういった能力が退化していくのです。
それはリハビリ の現場においても強く感じることです。セラピストは専門的な知識を豊富に持っています。ですから欠点を指摘するのは非常にうまい。ですが、たいがい、そこで止まってしまう。
代償動作に頼らなければ歩けないほど重い障害があるのに、代償動作を、ただただ欠点として指摘するだけ、痙性ならボツリヌス治療といったきわめて単純な発想が多いのです。
要するに思考力、洞察力、想像力に欠けるのです。ではどうすれば欠点は修正されるのか、どのようなリハビリが一番効果があるのかが提言できる人は、私が出会った中にはほとんどいませんでした。幸いネットではこんな優秀な先生が何人かおられます。
これや自主リハビリをする我々も気をつけておかなければならないことです。
知識を吸収するだけではなく、自分自身を観察し、考えることが必要だということです。
ブログではやたら論文を読むことを勧める人がいますが、問題はそうではないのです。観察し、感じ、考えるといった自分自身と向き合うことが非常に大事なのです。それがあって初めての知識が生きてくるのです。
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それじゃ~また
【同病の三本松のおじさんの一言】
個人個人の症状に適切なリハビリ療法が行われない現状から、チャットGPTの活用による治療を模索したい。そのためには計測によるデータの集積、診断等が必要となろうが、治療に関して今の丸投げから、患者、先生とが共に治療を考える一つのたたき台にはなりそうです。
【返信】
もう怠惰で想像力に欠ける専門家よりAIの方が頼りになる。そんな時代が来てるかもしれません。3D歩行画像などAIがどう判断するか楽しみです。
そうです。リハビリではあれがダメ、これがダメ、「ほら、前にも言ったでしょ。この場合どうするんでしたっけ?」と指摘のオンパレード。
知識も大事ですが、患者さんが今後の生活の中で応用が利く提言がほしいですよね。セラピストがいる病院や施設の場所は平らで、どこでも手すりがあって、外の社会とは違う場所ですから。
思考力、想像力をたくましくして患者さんの生活をもっと見据えた提言が必要ですね。
by ピストン (2018-12-03 10:46)
知識を詰め込んだ人ほど、その知識に頼り、解説しようとします。
そうではなく目の前の患者をしっかり観察し、機能改善や生活に役立つ動作方法、リハビリ方法を是非提言していただきたいといつも思います。
by meganesaru707 (2018-12-03 11:28)