Sarah Vaughan - And I Love Her 1969 [映画・音楽・美術]
Sarah Vaughan - And I Love Her 1969
果たして障害者の未来は明るいのか!?(3)社会インフラ「バリアフリー」の進展と民間企業の雇用率、インフラ整備。 [障害者として生きる]
◆国土交通省が推進している施策に「福祉インフラ」整備施策があります。
これは、高次のノーマライゼーションの実現に向けた住宅、社会資本のインフラストラクチャー構築を目的とするものです。
例えば、鉄道駅バスターミナル、航空ターミナルなどの旅客施設のバリアフリー化は、図で見られる通りの着実に進展しているのが伺えます。平成22年度で「段差解消は85%」「障害者用トイレは83%」と急激に整備が進んでいます。2020年の東京オリンピックを控えている東京などは整備が急速に加速するでしょう。
しかしこれはあくまでハード施設の整備です。国や地方公共団体の施策として、国民の目につきやすく、良いイメージを国民に植え付けます。
何より内需を支える国内建設工事であり、お金と票で政界を支えてきた建設業者へ多大な恩恵を与えるものでもありますから、政府も積極的です。国民、業界、政府ともにWin-Winの関係になるのですから整備が進むのは当然です。
国や地方公共団体における「福祉インフラ」整備については、障害者にも恩恵をもたらすでしょう。
一方、民間企業において障害者が働きやすいインフラ整備に関してはどうでしょうか。障害者を雇用する場合、障害者用のトイレや手すり、車椅子利用の場合はスロープやエレベーターを整備したりするための費用がかかる場合があります。多少補助金はあるものの、設置費用が新たに企業側にのしかかってきます。
また、休憩や通院の確保が必要だったり特別な配慮を必要とするようなケースも多くあります。
現在、法定雇用率が適応される企業(従業員50人以上の会社)9万社で、法定雇用率の未達成企業は7割弱、障害者を1人も雇用していない企業(障害者雇用ゼロ企業)が約3割の約2.7万社も存在します。
法定雇用率を達成できない場合、障害者雇用納付金の納付額は不足している障害者1人につき月額5万円必要となります。が、それを支払っても障害者を雇用できない企業が約7割あるということです。
この納付金は経費(損金)算入が認められており、その分納税額が下がります。「障害者1人につき月額5万円」の負担は、企業が払いやすいように配慮されているのです。
以上を考えると、現在障害者雇用ゼロの2.7万社が、厳しい経済環境が予測される今後において障害者を雇用できるのかは、はなはだ疑問に思います。
今回の話をまとめます。
国の施策として福祉インフラの整備は今後もすすむ。一方、民間企業における障害者雇用率は低水準、微増にとどまり、それに伴うインフラ整備も進展しない。
私は、そんな結論に達しました。
それじゃ~続きはまた
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障害者の新たなコミュニテイー・絆を探す(2) 遠藤滋 [障害者として生きる]
これまで遠藤滋さんを当ブログでは数多くご紹介してきました。
遠藤さんは24時間、誰かのサポートを受けていますが、サポートをしている若者たちは、どこか事情がありそうな若者たちが多い。私はそんな気がします。
単なるボランティア心、善意でやっているというよりも、遠藤さんと関わることで救われている面もあるんじゃないかと思うのです。
人間はやはり関係性の中で生きているものでありその関係性を実感できた時に充実感というものを感じる。そう思います。
それまで、身内等の人間関係にあまり恵まれなかった人たちは、そういう充実感を求めて遠藤さんのサポートをしている。そんなふうに感じました。
ですから遠藤さんはサポートを受けなければならない存在の一方、関係性をうまく築けない人たちをサポートしているとも言えるのです。
「こんな夜更けにバナナかよ」というというドキュメンタリーの本があります。この本の中でもやはり一方が他方を、一方的にサポートとするという関係ではありません。この本を原作とし、大泉洋主演で映画化されており、この年末には劇場公開されるようです。
人間が、関係性の中で初めて充実感を得られるとしたらやはり他者の存在は必要なのです。
野の哲学者と呼ばれ東京と群馬の山奥の村を行き来しながら暮らす哲学者の内山節は、人間は関係性の中で初めて生きられる、それは人間の持つ本能であると言います。
だから人間関係でつまずいた若者たちが、関係性の本能を満たすべ寝たきり肢体障害者の元に集まってくるのだと思います。そこには他人との関係性が成立しなければ死を待つしかない存在の遠藤さんがいます。遠藤さんの世話をすることで若者たちも自分の存在を修復していると言えるのです。
それじゃ~また