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”治療側の暴言”  「壊れかけた記憶、持続する自我」(2) [お勧め本]

5da588f99b77077887b76a044ea6c8fd_s (2).jpg山田 規畝子さんの著書「壊れかけた記憶、持続する自我―「やっかいな友人」としての高次脳機能障害」の第2回目です。今回は治療側の暴言や見下されることなどの状況に関してご紹介します。


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■治療側の暴言 その1

スキー場の事故により20歳の高次脳機能障害者の男性の母親が医師から「お母さんお子さん何人いるの?」「3人です」「じゃあ一人くらいいいじゃない」と言われた。


この若い男性の高次脳機能障害が家で暴れ、リハビリテーション科の医師に相談すると「あなたがやる気がないのから駄目なのだ」と言われる。


お母さんが必死になればなるほど医師たちは「本当なら助からないのを助けたのに、これ以上何を望むのか」という許しがたい暴言をぶつけてくる 。



■治療側の暴言 その2

人間には浦島太郎の亀をいじめた子供のような嗜虐性(しぎゃくせい)があるからだろうか。最初は障害をいたわるような顔をしていて、突然ある時から、判断力の欠如から実行にもたついたり行動が鈍かったりする時、私たちに拳を振り上げるように暴言をぶつけてくる人たちが結構いる。

人間として信じられないことではあるが看護・介護や医者の関係者からも「ずっとこのまま治りはしない」とか希望を失わせる言葉を吐く人間が多数存在するのも事実である。多くの高次脳機能障害者から聞いているが、彼らが浴びせられた言葉の暴力は数えあげればきりがない。悲しいことである。 



■健常者の意味のない優越感

脳損傷患者に接する多くの人に見られがちな態度として、健常者である自分は、この患者よりも絶対的に正しい判断力を持っていて教えてやらないといけないのだというものがある。

今風に言えば「上から目線」とでもいおうか。患者が独自に持っている生活のリズムや価値観を、自分の判断力より劣っていて間違ったものと決めつけた態度で接する人の方が、圧倒的に多い。こうしたことも高次脳機能障害者のいらだちや怒りっぽさを助長する。 



■脳の回復

誰が決めたのか脳の障害では2年が症状固定時期と慣例的に決まってしまっている感があるが、2年で本当に回復が止まったという人に筆者(山田さん)は出会ったことがない。

ただ家族もすぐにでも元の本人に戻ってほしいという勝手な幻想は持たず、回復に数年というスパンで腹を据えて待つ体制でいてほしい。すぐに治らなければもうダメという思い込みは捨てていただきたい 。

壊れかけた記憶、持続する自我―「やっかいな友人」としての高次脳機能障害

壊れかけた記憶、持続する自我―「やっかいな友人」としての高次脳機能障害

  • 作者: 山田 規畝子
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本


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我々片麻痺障害者や家族は、何度もこんな目にあっているのではないですか?

私も、まず脳卒中で倒れた時に、医師から失敗者のように家族が言われたそうです。回復期病棟では看護師から直接私も言われました。セラピストや介護職から見下げられることなんか度々ありますよね。



それでも「脳は回復」します。治療側は長期で一人の脳卒中片麻痺障害者を追いかけたことがないのです。10年単位の詳細なデータが取られていれば、また見方は変わってくるのではと私は感じています。そういった意味でも、山田先生にはこれからもどんどん情報発信していただきたいと思いますし、私は先生の言葉をこれからも追っかけます。


 それじゃ~また。






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