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絶望老人(4)暴走する自己肯定感 [障害者として生きる]

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今回も「絶望老人」神郷由紀著からピックアップさせていただきます。


絶望老人

絶望老人

  • 作者: 新郷 由起
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/02/23
  • メディア: 単行本

 

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◆「ここは天国じゃないかと思うの」、開口一番 大林のぶよさん(79歳)は車椅子に座ったまま夢見るような瞳でつぶやいた。


 

神奈川県の海沿いの「老健」と呼ばれる公的施設では、要介護状態の高齢者がスタッフによる食事入浴介助などの介護を受けつつ、医師による医療ケアや、理学療法士からリハビリの指導の下、治療や訓練を行って在宅復帰を目指す。


 

◆ ゴミ部屋での軟禁生活


36年前から同い年の夫と3 LDK のマンションに二人暮らし、 9年前にリウマチを患ってからは病院と美容室以外では外出もほとんどしないできた。夫の命令だ。


 

結婚直後から暴力を振るう DV 夫、 鼓膜が破れたり失明寸前まで舐められる暴力にあっても安定した経済力の前には無力で従属し続けた 別れて自立することなど考えも及ばなかった。


 

◆施設に入所して夫と別居し、 50年の拘束から解かれ徐々に本来の楽観的でおおらかな性格を取り戻していく。 同時に自我が目覚め始めた。


ここで大勢の職員さんと一緒にいたら、言いたいことが言える、怒鳴られても殴られそうになっても止めてもらえるから。


 

◆お姫様のような生活


何もせずとも朝昼晩と1食3回 栄養バランスのとれた旬の食材がたっぷり盛り込まれた料理が食べられる。洗濯もしなくていい。お金のやりくりも考えなくていい。


 

怒鳴られることもない 職員にかしずかれて傅かれ(かしずかれ)て、 施設の友達とおしゃべりをしていればいいのだ。 心配なのはただ一つ この施設を出なければならないことだけ。


 


◆自己肯定感を取り戻して、時に居丈高(いたけだか)にうつる言動も 施設内での所作を追って行くと納得がいった。 「私はねこの施設のアイドルなの。ちょっと遅いアイドルね。」


車椅子に座ったままで、フフンと得意げに、そして自信たっぷりに、顎をしゃくり上げて言い放つ表情やしぐさからは、いささか調子に乗っている、慢心しているといった表現がしっくりくるようにも思える。


 

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お~何ということでしょう。夫という重しが外れたら、逆に自分が女王様のようにふるまう。私の知人の片麻痺の女性にも一人いました。デイサービスに行くと、相対的に若いからあっという間に人気者になったらしくて「私、アイドルや」と言っていました。


 


苦労知らずで、天真爛漫な面があったのですが、尊大さが鼻につくようになり、これまで付き合っていた人が離れていくんですね。私も「メガネさん、○○してくれへんか、どうせ暇やろ」と言われてすっかり嫌になりました。


 


「障害者の自分は人に親切にされて当然」などと思っていると、反発を買い、取り返しのつかないことになります。気を付けましょう。


 


それじゃ~また


 


 


 
【同病の三本松のおじさんの一言】

いつも思うのですが、介護する側、される側の単なる役割を基準としての介護に特化した猫撫でサービスが利用者をわがままにさせるのでしょうか?


【返信】

個人の持つ資質を開花させてしまう環境になるのではと推測しています。

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