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(6)”おくりびと”現れる [障害者として生きる]

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■納棺、通夜


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家族葬ですから、本来、通夜に訪れる人はないはずなのですが 、それでも田舎のことです。父と親しかった何人かの人間は来るでしょう。


 


私は自宅での通夜の準備も一応しておくことにしました。 まず病院から遺体を自宅に搬送し、そこで 枕経(遺体にお経を唱え)た後、納棺するわけです。ちなみに納棺料5万5千円で、コース外で別途支払です。


 


そういえば、私は以前、親戚の葬儀で納棺頼まれたことがありました。私の場合は、遺体を担ぎ上げひつぎに収めるだけでしたが。遺体のあまりにも軽いのに驚いた経験があります。その時、女房が死化粧を施しました。


 


納棺師が現れました。普通の中年の男性と女性のペアです。女性が化粧箱持っているだけです。


 


これだ!私の両手が使えれば夫婦で「おくりびと」目指すべきだった!諸経費除いても、一時間5万円にはなるはずです。映画「おくりびと」では料金がわからなかったのです。本木雅弘と広末涼子か・・いいなあ~。「我が夫婦道を誤ったか?」など相変わらずノー天気な妄想ふくらませている私でした(笑)。ちなみに映画のように、納棺師と会話などしている時間は喪主には全くありません。挨拶交わしただけです


 


納棺の前に、早くも近所の人間から私に電話が入ります。「私は特別世話になったから線香だけは上げさせてほしい」


「私は特別~だったから~(香典等)させてほしい」の言葉は家族葬の敵です。


こんなこと一旦一人に認めてしまえば、それを聞いた人が次々訪れ香典等を差し出すことは自明です。ですから断固断らなければなりません。そうでないと家族葬にした意味も亡くなります。が、お焼香くらいは、仕方ありません。


 


 


■弔問客の受け入れ


 


地域の人たちに自治会放送(500世帯の各家庭に放送スピーカーが設置されている)で 家族葬にすることを 放送してあるにも関わらず、通夜の晩、 それでも何人も人が 訪れてきました。 本来、 私は正座して 対応するに必要がありますが、こんな体では長時間の正座はできません。それで以前から所有していた高座椅子に座って対応しました。その横には、普段室内では使っていない杖を置いて「イスに座って失礼するが、体が悪いからカンニンな!」をアピール(笑)


 


高座椅子は、Amazonで購入したものではありませんが、形状は以下のものと同じです。参考まで。


 




それじゃ~また。

同病の三本松のおじさんの一言


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お気をつけあそばせ 性格変容(左麻痺) [お気をつけあそばせ]



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三好春樹先生の「身体障害学」よりご紹介します。
 
◆左麻痺特有の障害の一つが「性格変容」
みんなではありませんが、右麻痺に一部の人が失語症にになるように、左麻痺の人の一部に現れます。
 
・自己中心的
・わがまま
・自分勝手
・感情的
・おっせかい
・説得無効
 
◆女房に言わせると
私の場合は元々そんな性格だったらしいです(笑)。
ですから変容でなく、一層助長されたということですか。
 
◆マイナス面をプラスに転換
して考えましょうというのが三好先生のお考えです。
 
・自己中心的  -->主体性がある
・わがまま   -->自己主張がある
・自分勝手   -->マイペース
・感情的    -->明るい
・おっせかい  -->世話好き
・説得無効   -->おだてが有効
りの人は、このように考えると、多少は腹立も押さえられる。いい所を生かす場面(場を明るくする等)を考えていこうとも述べておられます。
 
いずれにしても「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。頭の隅において行動したいと思います。
 
それじゃ~また
 
 
 
 
 


同病の三本松のおじさんの一言


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介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅(4)安全で、健常者も足を伸ばせるお風呂 [片手で使う道具・住宅改修]

 


建築家である吉眞孝司さんのお書きになった後半部分の2回目です。

 

前回同様、小松邸が実例として登場します。依頼主の小松さんは、長い間老人介護に携わってきた方で特養の施設長をされています。 その経験をもとにしているのでしょう。きわめて実務的で参考にできることが多いと感じます。

 

 

介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている

介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている

  • 作者: 三好 春樹
  • 出版社/メーカー: 雲母書房
  • 発売日: 2005/05/01
  • メディア: 単行本

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 ■安全で、健常者も足を伸ばせるお風呂


 

三好さんが奨励する風呂はあまりにも小さくて質素な浴槽だったので、それにも驚きました。 しかしとても安定性はよくゾロリと滑ることもないので障害者のいる家ではとても使い勝手が良いと思います。


狭いお式と風呂で溺れることはない。 せいぜい心臓麻痺になるぐらいで、水を飲んで死ぬことはありえないのです。


浴槽に入るためのポータブルの電動吊り上げ装置がありますが、これは結構事故があってお勧めできません。

 

三好さんに教わったのは、将来体のどちら側に麻痺が来ても浴槽に入れるようにその両サイドに触れるエプロン 作り付けにするということです まずは浴槽そのものではなくその外に入浴のための工夫をするのです。



エプロンとは浴槽の天端(浴槽の縁の高さ)と同じ高さで腰掛けるスペースのことです。 全く同じ高さにすると エプロンから浴槽にお湯が逆流するのでそれを防ぐために一段低くします。

 


この浴槽には画期的なアイデアがあります 三好さんが勧めるタイプの浴槽は、普通のおっさんが手で握れるように5〜6 CM は望ましいということになっていますが、これはもう一歩進めてこっちの断面を半円にしてあります(中央の図、円で囲んだ部分)


この形状だと必要な場合は指先まで力を入れて握ることができる。

エプロンを一段下げることで逆流防止にもなっていますが、手で縁を握れるようにスペースを取る意味もあります。

 

但し健常者も小さい浴槽で満足できるかと言うと、やっぱり足を伸ばしたいと思うでしょう。 そこで小松さん(元特養施設長の施主)に アドバイスを頂き、大きめの浴槽の中に間仕切りを入れて、調整できるようにしました。

 

 

 

 
 ◆メガネサル
このお風呂の問題は、縦方向の手すりが少ないことでしょう。特に浴槽から自力で立ち上がるには、横方向の手すりだけでは困難です。縦方向の手すりもあるL字型手すりが望ましいと思います。

 それじゃ~また
 
 
 
 
 
 
 

 




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男の老いは危険だらけ。老人世界は女の天下。 [障害者として生きる]

 


 


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私と同じ様に脳卒中後遺症による重度障害により仕事の早期引退を余儀なくされた方も多いのではないかと思います。

 
また、私も還暦に達して、同級生で定年退職した人も増えてきました。
 
定年退職して「濡れ落ち葉」と言って女房に引っ付いて回った挙句、忌み嫌われるということがよく言われます。
 
逆にそうならないために強迫的に熱中できる趣味やその仲間を探し回っている。そんなあっせてしまっている同級生さえ見かけます。
 
 
では老後とは、どのような世界なのでしょうか。テレビの「人生の楽園」のコンセプトは「趣味に生きがいを見出し、生き生きとした第二の人生」と思われますが、それは、あくまでTVの世界の中のことで、万人に共通する様には思われません。
 
まして「そばや」や「田舎カフェ」がそんなに簡単に成功するとはとても思えませんし、実際にそんな大胆な人は少数派でしょうが・・・。
 
私の住んでいる地域は京阪神から車で1時間半程度で、この番組で「地元客と京阪神からの観光客でにぎわっている」紹介された店(経営者)が幾つかありましたが、番組放映のあと、数年も繁盛している店の話など聞いたことありません
 
 
それで、もう少し現実的に男の老後、老いた男が置かれるのはどのような世界なのか、
探ってみたいと思います。
 
 
まずいきなりですが、老人介護施設を、覗いてみたいと思います。そこに典型的な男の老後の世界が垣間見ることができると思うからです。「男と女の老いかた講座」(三好春樹著)を参考にしたいと思います。
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老人介護施設の入所者のみ男女比率を見てみると女性が断然多い。
 
特に長期の入所施設である特養ホームでのその傾向が強い。
 
女性が7割から8割を占めている
 
のが当たり前でである。
 
おまけに老人施設で働く職員も女性の割合が多い。こちらの比率も8対2か7対3で女性が多い。
 
しかもこの世界
「やり手の女とお人好しの男」と言われるくらいで
 
これまた女性の天下なのだ。
 
老人施設は入所者もスタッフも女に圧倒されている世界だと思っていい。
  
「男中心社会」と批判される官僚や大企業に勤めている人達よ。
 
男が中心になってるのは、ほんの限定された世界に過ぎず
 
その世界を離れると
 
「男女平等」どころか、女が中心の世の中なんですよ。
 
 
そしてそれは仕事を辞めた男たちを待ち受けている世界なのである。
 
「おー怖い」と思われるだろうか。
 
そう、これは本当に怖い世界なのだ。今のうちに男社会を楽しんでおかれんことを。
 
 
男と女の老いかた講座―老いに上手につき合える人、つき合えない人

男と女の老いかた講座―老いに上手につき合える人、つき合えない人

  • 作者: 三好 春樹
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2001/05
  • メディア: 単行本
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いかがですか、そこは「仕事の世界」のように男中心の世界じゃないということです。
ですから障害を負う、老人になることは「変容」を求められるということなのです。
リハビリ室やブログの中で、年配の男性で相変わらず男中心の世界を持ち続けている人をよく見かけます。
 
相変わらず、仕事で部下に命令あるいは説得する口調が改まらない。
 
 
これ本当に「お気をつけあそばせ」なのです。趣味に生きる第二の人生大いに結構なのですが、おかれている世界が変わっていることを自覚しておかねばなりません。
 
特に、多くの男性の部下に囲まれていた人は要注意です。
かって所属した組織の大きさや、そこでの役職といったものが全く役に立たない。
 
 
「一個の人間性」のみで勝負するしかない世界
 
 
がもうそこに待っているのです。
 
かっての「社会的地位」「名誉」、財産」などな~んにも役に立たない。
 
得意なのは「管理すること」、「批評すること」 そんなのも、な~んにも役に立たない。

 
命令口調、上から目線の人間などそっぽ向かれるだけです。
 
目の前の人と仲良くできる能力が必要になるんです。
 
女性たちをはじめとし、人を楽しませ愉快な気持ちにさせる能力が必要なんです。
 
男性社会の成功者達は、逆にこれが苦手な気がします。
 
私も「人間性」には さっぱり自信がありません。
 
だから、もう変容するしかないです。
 
病気のおかげで人より多少早くそのことに気づけた気がします。
 
 
 
 
それじゃ~また
 
 
 
 

 

同病の三本松のおじさんの一言


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リハビリという幻想(2)医療的リハビリか、生活リハビリか? [お勧め本]



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リハビリテーションという幻想の2回目です。今回も理学療養士にもかかわらず医療ではなく介護の現場にかかわってこられたお二人の介護の現場からの視点をご紹介したいと思います。
三好 
本当の個別化とは、一人ひとりの障害や老化の程度に応じて、個別の人間関係を頭に入れて、その人の能力を活かしながら個性を引き出していくことです 。

三好
リハビリをすることによって生きていく気力がなくなるようなやり方はいくらでもあります。
リハビリをすれば状態が良くなるからと言って、いかにやらせるかということばかりに目が向くと老人からだんだん表情がなくなっていきます。


リハビリテーションという幻想

リハビリテーションという幻想

  • 作者: 三好 春樹
  • 出版社/メーカー: 雲母書房
  • 発売日: 2007/08/10
  • メディア: 単行本

高口
死がないものとして扱われているために、いつまでも右肩上がりの機能改善を求め続けることがリハビリだとすれば、老いのリハビリテーションには無理が先立ちます。



三好 リハビリには「障害受容過程論」があります。これも意識の世界の右肩上がりなんですね。
 
最初にショック期があって、最後には「価値観の転換」が起こると言われています。手足が麻痺して障害を負ったとしても人間としての価値は変わらないということです。
 
それまでの人間観を変えることが障害受容過程論だという言い方がされてきました。非常に教育的なんです。
なんで障害者だけがそんなに高尚な人間観を持たなければならないのかと言いたくなります。

でもその論理の中にリハビリの本質が染み込んでいるんですね。こうあるべきだという理念を障害者に押し付けているんです。


メガネサル(私) 
我々は脳卒中になって「失敗者」とみなされ、障害者となって「子供扱い」される。

当然次に来るのは「教育してあげる」です。
我々自身の今後の生きやすさのためにも「ピンチをチャンスに変える」意味でも変容した方が良いと思いますが、医療側や健常者に上から目線で教えてもらう事でもない。
 
我々だけが「高尚な人間観」持つ必要もない。同病者の方で「ちょいワルおやじ」と称される方もおられますが、大いに結構です。私も人間性未熟な「吠え吠えおやじ」でこれからもまい進します。


高口 
脳卒中になったのも生活習慣病だから自己責任だ。障害負って、それを受容できないのも自己責任だと言っているような気がします。
いつまでも、もっと努力しろと言われていて今ここにを認めてくれない。どうもリハビリの悪い面が出ているようですね。

【老健について】
身近でありながらなかなか取り上げられることのない介護老人保健施設(老健)お二人はばっさり切ります。
 

高口 
老健はすごい働きをしましたね一つの施設で3か月から6か月ぐらいリハビリをつけても老人には大きな変化が見られない、ということを見事に立証してくれました。


三好 
これは本当に皮肉な話ですね。病院と家との中間施設として作ったのに、結局は病院と特養の中間施設になったわけです。未だに特養の入所待ちをしている人がほとんどです。
高口 
私たちが現場で気づいたのはどんな重度の人でも家に帰る人は帰る。どんなに深い認知症があっても帰る人は帰るということです。
逆に言えばどんなに軽い人でも帰れない人は帰れない。そうすると重要なのは家族に介護への理解や介護力があるかどうかが大きな要素だと思います。

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以上いかがでしたか、我々片麻痺障害者自身もリハビリを医療的リハビリ(身体機能向上リハビリ)と考える人が多い。若く障害の軽い方は特にそうです。しかし誰しも老いて肉体は衰える、そこで生活リハビリに重点を移す視点も必要です。

◆ただ実際は、比較的若い方では、普段は自主トレ・生活リハビリで、何年に一度かは、病院で医療的リハビリも受けてみる。こんな方も結構おられます。


お二人のような専門家の意見は意見として参考にし、実際は、こんな風に柔軟に取り組めばいいのです。医療的リハビリか生活リハビリか二者択一する必要はありません。したたかに行きましょう。
それじゃーまた。
 
 
 
 
 
 
 

三本松のおじさんの一言


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