旅の車中飯、夕食でメスティン(キャンプ用の飯ごう)で無洗米を炊いたのだが、水かげんが違ったか少々堅い。
インスタントカレーで流し込んだが、残りをおにぎりにした。
翌朝食べようとしたが、パラパラで味気ない。
どうしたものかと当惑していると、
「湯漬けを持て!」
時代劇のセリフが、ふっと閃いた。
それで、湯を沸かし、ぶっかけた。
これが何とも美味いのだ。
茶や薬味などの余計なものがないことで、逆に米の甘みが上手く引き出されている。朝の身体に少しづつ元気がみなぎってくる。
以前も食パンを焼かず、何も付けず食べてその美味しさに驚いたが、湯漬けも同様だ。
家ではまず作らない極めてシンプルな一品。ダンナなどに朝食で出せば怒り出すかもしれない。
だが、昔の人間はこのうまさを知っていたのだ。
「こんな発見があるから一人旅はいい」と一人悦に入った。
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