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果たして障害者の未来は明るいのか!?(13)トルクダウンはおきない!フリーランサーの時代 [障害者として生きる]

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このシリーズのここまでの話を、〆たいとと思います。

 

まず 第一回で お話しした「トルクダウンはなぜ起きないのか」について 経済学者の 野口悠紀雄先生の説 を紹介します 。わかりやすいよう多少説明を加えて要約します(週刊ダイヤモンド2015年12月19日号)

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◆なぜ企業の利益が増加してるのに 賃金所得は目立って増加しないのか? それどころか人件費をより 削減する方向に向かうのか。

このメカニズムは企業産業別規模別に区分してみないとよくわからない 。利益の源泉となった円安による影響は産業や規模によって大きく異なるからである。


◆まず円安の恩恵を受けている産業セクターは、製造業の大企業だ。 このセクターの企業の多くは輸出産業である。 円安で売上、利益が増加している。

 

一方で負の影響を強く受けているのがこれらの下請けである中小零細の企業である。

 


大企業の売上増は生産の拡大を伴わないため下請けに対する発注は増えない。他方で部品調達が低賃金の中国等海外に移行しているため大企業から国内の下請けに対する発注は減少している。だからトヨタ、日産等の大メーカーとその下請け企業では事情がまるで違うのだ。

 



◆ 円安によって負の影響を受けているもうひとつのセクターは 、非製造業の中小零細企業である。ここではこれはガソリン価格や電気代の値上げ等による売上原価が増大している。

 

従って これらの企業はやむを得ず人件費を削減しているのであって、決して貪欲で極悪非道のために人件費を削減したり労働者から搾取しているわけではな。そのような事態に追い込まれているのである。



人件費削減の大部分は正規労働者を減らして非正規労働者を増やすことで行われている。 非正規労働者は既に全体の4割まで増加しているが、それはそれはそうせざるを得ない条件があるからである。

 

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このようには我が国の産業の二重構造においては 中小企業の人件費はこれからも削減される方向で進んでいくと思います 。障害者の雇用が中小零細企業で増加するとは考えにくいのです 。

ですからこの点から見ても障害者の 雇用という事に関して、明るい未来を考えることはできません。

 


ただ一方で、 野口先生は、これからフリーランス社会になっていくと予想されています。(「超」独学法)。そこで、「フリーランサーや兼業を目指せ」とされています。要点は次のとおりです。

 

「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ (角川新書)

「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ (角川新書)

  • 作者: 野口 悠紀雄
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/06/09
  • メディア: 新書

・フリーランサーの時代が来た

・10年後には、アメリカの労働者の半分以上がフリーランサーになる

・起業やフリーランスを容易にする条件の変化

・兼業や副業で準備し、定年後にフリーランサーに

・完全なフリーランスでなくとも、兼業・副業の可能性

・日本でも兼業を認める会社が増えている

・インターネットを通じてサービスを提供する


多くの人が、 企業で得られる賃金だけでは不足しますので、それを補うために何らかの収入を得る。そういったこと盛んになってくると予測されるのです 。


大変厳しい状況ではありますが、当然我々障害者にもそのことは考えておく必要があると思います。トルクダウンといった甘い幻想に惑わされず、自らの暮らしは自らで立てる。そんな気概(きがい)が必要なのです。

 

それじゃ~また

 

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