小倉くめ NNNドキュメント「一四一冊目の春」 [障害者として生きる]
NNNドキュメント「一四一冊目の春」
番組内容
障害のため36歳で失職「障害者が生きる価値はあるのか?」と死を考えた小倉くめさん(72)は、ある事件をきっかけに季刊誌を創刊。36年目の今春141冊目となった。
詳細
生まれつき背骨に障害のある小倉くめさん(72)。36歳で仕事を失い「障害者が生きる価値はあるのか?」と死を考えた。そんな時、障害児を抱えた母親が親子心中する事件が起こる。くめさんはこうした痛ましい出来事を一つでもなくしたいと障害者問題を世に問う季刊誌“秘めだるま”を創刊。以来35年間、たった一人で出版を続け、今春141冊目となった。いじめや差別と向き合い、自立と平等を伝え続けるくめさんを見つめる。
介護現場におけるの「聞き書き」の効用(1)「介護民俗学という希望」(スマイルホームの物語) 六車由実著 [お勧め本]
「介護民俗学という希望」(スマイルホームの物語) 六車由実著
介護現場におけるの「聞き書き」の効用(1)
民俗学者から一転、介護施設に転職した六車さんの著書です。大きな特徴は介護の現場に民俗学の「聞き書き」の手法が取り入れられたことです。
デイサービスなど介護施設の運営に関わられる方々に是非読んでいただきたい本です。
私が印象に残ったところをピックアップしてお届けします。長くなりますので3回に分けてお届けします。
介護民俗学という希望: 「すまいるほーむ」の物語 (新潮文庫)
- 作者: 六車 由実
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/05/29
- メディア: 文庫
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◆介護現場におけるの「聞き書き」の効用
問題解決や支援を目的とするのではなく、利用者さんの人生や経験そのものへの強い関心から行う介護民俗学の「聞き書き」でも、聞き手である介護スタッフは、利用者さんに教えを受けるという立場にある。
介護する側とされる側の関係が固定化され、硬直化してしまう介護現場において、「聞き書き」によって一時的ではあるが、利用者さんと介護スタッフとの立場は逆転する事態が起きる。
このことは、人と人との関係を回復させ介護という営みみをもっと豊かにすることに繋がると、現場での経験を通して私は確信している。
◆ 利用者さんに踊りを教わる
普段の介護を受ける利用者さんと介護をするスタッフではなく踊りを教える教えられる関係、まさに師匠と弟子との関係になっていたのだと思う。
介護現場で固定されがちな介護する側と介護される側との関係をどう逆転していくかそれが介護を豊かにしていくためには重要だと私は考える
◆悲しみを共にしたい。(死がタブー視される現場)
例えば私がかって勤務していた大規模デイサービスでは、利用者さんが亡くなったという知らせを家族から受けても、それを他の利用者さん達に伝えるということはしなかった。
利用者さんたちが動揺し混乱するからというのが理由だ。 このため死がタブー視されることになる
人間の自然の営みとしての死が、介護する側のコントロールの下で利用者さんたちに知らされたり隠されたりするのも私には抵抗感があったし、何か傲慢であるようにも思えた。
介護現場ではなぜもっと死をオープンにすることができないのかという怒りにいた疑問がだんだん大きく膨らんでいった。
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