介護施設は、多様なメニューの準備を [リハビリ、入院・通所]
慢性期になった私は、PT(理学療法士)の下でリハビリしたいため介護保険を使って通所リハビリに通い始めました。
脳卒中で仕事をなくした私は、将来に備え、株式投資の勉強をし、収入不足を少しでも補おうとしていました。企業やその競合状況を調べて財務や戦略を分析し、市場を観察し、株の売買をする。壊れた脳で、そんな新しい経験に直面し、多少緊張する毎日でした。
そんな日常から、通所施設に来ると、当然のように職員の方に、童謡の合唱や脳トレ・ドリルといったものをやらされます。さすがに50代半ばの私が通所者の輪の中に入るとみんな驚きます。異分子が侵入した妙な雰囲気です(笑)
音楽に関しても、戦後世代の多くは、jazzやニューミュージック等の好きな分野があり、それなりに聞きこんできた時間を蓄積しています。そんなひとが、童謡など歌う気分になれるでしょうか。
私の義父は漢字を勉強するのが好きです。それでデイサービスに行った時に、漢字の勉強をしたいと職員の方に言ったところ、それは皆さんに嫌がられるから駄目ですと断られたそうです。
幼いころ家庭の事情で勉強をさせてもらえなかった義父は、勉強に飢えていて色んな漢字を覚えるのが好きなのです。
それを拒否するとは何事なのでしょう 。全員でできなくても義父一人に漢字ドリルをやらせておけばいいじゃないですか。
そもそも、そんな多様性は認められないのでしょうか。様々な個人的な経験を長年積み重ねた大人が、そろいも揃ってチーチーパッパと声揃えて歌わなければならないのでしょうか?
施設側が多様なメニュー用意して通所者に喜んで過ごしていただく。それがデイ・サービスの基本だと思うのです。たとえば以前取り上げたこんな施設です
多様なメニューを準備する中で、通所者自身が講師になれるケースが多く出てくると思います。そうなれば、別に「生きがい」も生まれると思います。誰でも1つや2つ他人より詳しい分野があります。介護施設において、それを生かす仕組みづくりに是非取り組んでいただきたいと思います。
それじゃ~また
コミュニケーション・ツールとしての缶コーヒー
我が家は、いつも缶コーヒーを常備している。クーラーなどの家電製品の取り付けや、廃品回収を依頼した時など「ありがとう」と、一本渡すのだ。
いちおう自販機に入っている様な名の知れた商品ではある(これも大切)。が、セールの時にまとめて買うと、1本当たり数十円程度だ。
これで嫌な顔されたり、いらないですと拒否されたことは今まで一度もない。たいがい「ありがとうございます」と言ってくれる。
私は、現場で、缶コーヒーをコミュニケーション・ツールとして使ってきた。汗を流して働いてくれる外注の人などに、感謝の気持ちを、言葉だけでなく物でも表すのだ。そうすると断然打ち解けるのが早いのだ。
リハビリ入院している時も、部屋の掃除をしてくれるおばちゃんなどに「見舞いの貰いもんやけど、1本どうや!?」などと言って渡すようにしている。そうすると会話もできるようになる。
さりげないことであるが、こんなツールで人間関係が拡がるきっかけになるのだ。
それじゃ~また