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リハビリについて、一度整理しておきたいと思います(3)可塑性と年齢による衰え

 


脳の可塑性とは、 リハビリテーションによって損傷した脳領域周辺の細胞などに新たな神経回路ができるというものです。これを信じて我々はリハビリを続けているわけです。


 私は慢性期・生活期に入って数年以上、毎日リハビリを続けているわけですが、脳の可塑性を感じることは、正直あまりありません。むしろ最近は年齢による身体の衰えも意識するようになりました。


 生身の人間で、回復が進むために重要なことは


 可塑性>年齢による衰え


 の状態である事です。つまり脳の可塑性が年齢の衰えを上回っていることが必要です。


 しかし、脳の可塑性は、不確かです。決め手となる治療やリハビリ方法は今だ見つかっていないのです。


一方、年齢による身体の衰えは確実にやってきます。


 


可塑性<年齢による衰え


 


これが高齢の生身の人間の状態です。あるブロガーが言うリハビリのため障害者が「脳の可塑性の研究や理論を学ぶ」ということなど単なる屁理屈で、生身の人間には何の役にも立ちません。


 


つまりこれからは、年齢による衰えを考慮しながら、リハビリを続けていく必要があるのです。



私は年齢と障害の程度によるマトリックスを以前作りました。


 


【片麻痺障害者を4つのグループに分けて考えてみよう】


 


そして最終死守しなければならないのが、こちらです。


 


【「守るも攻めるもこの一線」と「超えねばならぬこの一線」】 


 


多少暗い話ですが、健常者にもこれは同様に訪れます。


結局毎日リハビリを続け、衰えをカバーすることが大切です。難しい小理屈など必要ありません。補助器具に頼っても毎日歩くことです。毎日小一時間程度歩ければ最高です。


脳卒中片麻痺の我々は、幸いリハビリの習慣があります。これを継続すればいいのです。


 


そして、訓練から楽しみに軸足を移し、できるだけ楽しんで散歩すればいいと思います。


 


 


 


ただ最近、私は「可塑性」だけでなく、「骨の連動性」による力を入れない運動にも注目しています。日本式動作法(農作業、武道、ナンバ歩き等)の中に骨の連動性を高めるコツがあるのではと考えています。これは上記の表の様な感覚センサーによる読み取り、脳からの命令を補う世界です。


 


 


脳からの命令で筋肉を強く動かすのでなく、骨の連動性で力を入れず楽に身体を動かす。これなら年齢による衰えをカバーできるのでないか。


80歳超えてもなお元気に農作業に従事する近所のおばあちゃん達見ていて強く感じるのです。


 


それじゃ~また


 


 


 


 


 

 

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介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅(2)トイレ [片手で使う道具・住宅改修]

 


三好春樹先生と、和風建築の会社を経営されている 吉眞孝司氏との共著


 


『バリアフリーは間違っている


「介護と建築のプロが考えた生活リハビリ住宅」


 


の2回目は、障害者となって、真っ先に頭を悩ます「トイレ」を取り上げます。三好先生がお書きになっている部分です。


 


 



介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている

介護と建築のプロが考えた「生活リハビリ」住宅―バリアフリーは間違っている

  • 作者: 三好 春樹
  • 出版社/メーカー: 雲母書房
  • 発売日: 2005/05/01
  • メディア: 単行本




■トイレ



トイレではやはり便器の向きが大事です。


扉を開けてまっすぐ入った時に、一般に便器は図 A のように右側が背中で 左側が前になっています 180度回転しなければ座れないタイプに作られているものが大半です。


配管を壁の奥、大抵は家の外の方から回すのが常識になってるから、どうしてもそのようになってしまうのです。その上狭いと、介助者も入りようがないし、180°回転するのは手すりがあったとしてまず難しいでしょう。


 

それで私たちが 進めているのは、スペースが少し必要になりますが、逆に B のような位置関係 にする便所です。


右マヒの場、廊下から奥の方を向いて入って正面に手すりが付けてあれば 点線のように横移動ができます。もしスペースがあれば両方から入れるでしょう 真ん中あたりにカーテンがついていれば、だれかがあけても見られないので理想的です。


 

普通の家だとそうはいかないので、もし改造するのであれば狭いトイレでもCのようにすれば90°の回転で済みます。 さらに車椅子の肘当てが外せるタイプのものにすれば、相当重症の人でもほんの少しの介助で、楽にトイレが使えるようになります。


C のように設計するのは大掛かりな工事でも何でもないはずです。 施設は比較的スペースがあるわけですからトイレぐらいこの程度の工夫はしてもらいたいと思います。





介護保険ができ一般の人も介護や自分の親について考える機会がずいぶん増えてきた。しかし 老いや介護の実態を知らない人のやることにはピント外れなことが多く、若くして自立している自分を基準にする自己中心性に気づかない。


 


最も呆けている人が、落ち着くような施設を作るべきなのだ。 そうすれば完全個室になんかなるはずない。 だって深く呆けた人は、個室によるプライバシーなんかより、襖や障子で区切られたくらいの空間と人間関係の距離で落ち着くのだから。





障害があっても入れるということがなかなか世の中の人にはわかってもらえないんですけど 段差がないのはバリアフリーじゃないんです


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トイレまで行けなくなった場合、こんな方法もあります。


 


 


ベッドサイド水洗トイレ


 


それじゃ~続きはまた


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