旅の終盤に岐阜県関市の「円空の館」に行きました
ここに円空作の同じ木から、印象の全く違う二体の仏像が彫り出された像があり、強く惹かれました。
1つが「善財童子像」で、53の善知識を尋ね歩く童子で、円空自らを彫ったものと言われています。
もう一つ「護法神像」です。仏を守る神で、非常に厳しい顔立ちの個性的な像です。
神仏像は、大きく分けると2つの性格の像があると思っています。
1つは「慈悲の像」です。母性的、女性的な像です。代表的なのは弥勒菩薩像でしょう。
もう一つは「怒りの像」です。襲ってくる悪魔を退治する父性的、男性的な像です。代表的なのは不動明王でしょう。
同じ木から、同じ時期に彫りだされたこの円空の二つの像も、この性格を基に彫られたように様に思います。慈悲と怒りは表裏一体ということでしょう。
円空の彫った実物を初めて見ました。 50センチに満たない小さな像でしたが、その迫力に圧倒されました。
やはり円空の作仏は修行であり、精魂込めて彫られた物であることを実感しました。
それが、大きな寺に納められる専門の仏師集団の彫ったきれいな仏像との大きな違いでしょう。
これから長い付き合いになる予感がします。
|